孤独死の葬儀はどうなる?流れ・費用・北海道の実情を解説

「身内の方が亡くなっているのが見つかりました」と警察から連絡を受け、孤独死とわかって何をすればよいのかわからず戸惑っていませんか?
結論からお伝えすると、孤独死の場合も遺族が引き取れれば、通常の葬儀とほぼ同じ流れで進められます。
この記事では、警察の検視から葬儀までの流れ、日数の目安、費用を誰が負担するのか、発見が遅れた場合の遺体の状態や特殊清掃の要否までを解説します。
全国的な情報に加え、公営火葬場が中心の北海道ならではの費用事情や、積雪期の見守りについても、地域の実情を踏まえてまとめています。
読み終える頃には、今の状況を整理し、次に確認すべきことがわかるようになります。ぜひ最後までご覧いただき、判断に迷ったときはコープの葬儀相談もご活用ください。
目次
孤独死の葬儀は遺族の有無によって流れと費用負担が大きく変わる
警察から孤独死の連絡を受けると、何から手をつければよいのかわからず戸惑ってしまうものです。まず押さえておきたいのは、遺族が遺体を引き取れるかどうかによって、その後の流れと費用負担の主体が大きく変わるという点です。
遺族が引き取る場合は、警察の検視・検案を経たうえで、通常の葬儀とほぼ同じ流れで火葬・葬儀をおこなえます。
一方、引き取る遺族がいない場合は、自治体が火葬をおこない、生活保護受給者であれば葬祭扶助制度によって費用がまかなわれることがあります。
具体的な手続きの流れや日数、費用の目安、特殊清掃や遺品の扱いについては、次の章から順番に解説していきます。
孤独死発見後、葬儀までの流れ

孤独死が発見されてから葬儀に至るまでの主な流れは次のとおりです。
- 警察による検視・検案
- 葬儀社への依頼・打ち合わせ
- 遺体の引き取り
- 死亡届の提出と火葬許可証の取得
ひとつずつ解説します。
警察による検視・検案
孤独死の場合、まず警察による検視がおこなわれます。事件性の有無を確認する必要があるためで、必要に応じて検案や解剖が追加されることもあります。
通常の病死とは異なり、検視が終わるまで遺族がすぐに遺体に触れられない場合があります。検視の間、遺体は警察署や提携する施設に安置され、遺族には立ち会いや確認のための連絡が入ります。
「なぜすぐに引き取れないのか」と不安に感じる方も多いですが、検視は法律で定められた手続きであり、遺族に落ち度があるわけではありません。まずは警察からの連絡を落ち着いて待ちましょう。
葬儀社へ依頼・打ち合わせ
遺体を引き取る際は、葬儀社が棺などの必要品を持参し、専用の車両で搬送するのが一般的です。そのため、警察の検視・検案が終わる前に葬儀社を決めておく必要があります。
検案が終わってから慌てて探し始めると、希望に合う葬儀社を選ぶ余裕がなくなってしまいます。実際に、警察からの連絡を待つ間に複数の葬儀社へ相談・見積もりを取り、引き取りに間に合うよう手配しておく遺族は少なくありません。
「いつ葬儀社を決めればよいのか」と迷う方もいますが、検案が続いている段階から動き出しても問題ありません。早めに相談しておくと、その後の手続きもスムーズに進みます。
遺体の引き取り
検案が終わると、葬儀社とともに遺体を引き取り、あわせて死体検案書を受け取ります。死体検案書は死亡の事実を証明する書類で、このあとの死亡届の提出に欠かせません。
遺体の引き取りは、警察署や提携施設へ葬儀社の車両で向かい、その場で死体検案書を受け取る流れになることが多いです。検視・検案という「調べる手続き」が終わった結果として、この書類が発行されると考えるとわかりやすいでしょう。
死体検案書を受け取ったら、なくさないよう大切に保管してください。次の死亡届の提出でも必要になります。
死亡届の提出と火葬許可証の取得
死体検案書を受け取ったら、死亡届を市区町村役場に提出し、火葬許可証を取得します。火葬許可証がなければ、火葬場の予約や火葬そのものができないためです。
死亡届の提出先は、故人の死亡地・本籍地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場です。手続きには死体検案書が必要になるため、あらかじめ準備しておきましょう。
「疎遠だった親族の分まで自分ですべて対応できるだろうか」と不安になる方もいるかもしれませんが、死亡届の提出や火葬許可証の取得は、葬儀社に依頼すれば代行してもらえるケースが多くあります。不安な場合は、遠慮なく葬儀社に相談してみてください。
孤独死の葬儀形式は大きく4種類
孤独死の場合も、遺体の状態によっては、一般葬・家族葬・一日葬・直葬・火葬式という、通常の葬儀と同じ4つの形式から選ぶことができます。
コープの家族葬ウィズハウス 葬儀形態別費用相場(2025年度実績)
| 葬儀形態 | 総額平均 |
|---|---|
| 葬儀全体 | 86.5万円 |
| 家族葬(二日葬) | 114.3万円 |
| 家族葬(一日葬) | 69.5万円 |
| 自宅葬 | 61.6万円 |
| 火葬式 | 37.7万円 |
| 直葬 | 11.8万円 |
※コープの家族葬ウィズハウス2025年度葬儀実績より算出(税別)
※お布施・火葬料は含まない
ただし、発見が遅れた場合は遺体の状態が変化し、包帯や納体袋でお顔を見られないケースもあります。
また、費用を抑えたい場合は直葬・火葬式が、発見地と葬儀をおこなう地域が離れている場合は、先に火葬を済ませる「骨葬」が選ばれることもあります。骨葬については次の章で詳しく見ていきましょう。
火葬後に葬儀を行う「骨葬」が選ばれる場合も
発見された場所とご遺族が住む地域が離れている場合には、先に火葬を済ませたうえで、あらためて葬儀・告別式をおこなう「骨葬」という形式が選ばれる場合があります。
たとえば、発見された地域で火葬のみを済ませ、遺骨を喪主の地元へ持ち帰ったうえで、あらためて葬儀やお別れの場を設けるという流れが一般的です。
どの形式を選ぶかは、遺体の状態や遠方の事情によって変わってきます。迷った場合は、葬儀社に率直に事情を伝えて相談してみましょう。
| 【関連記事】 直葬(火葬式)の葬儀の流れとメリット・デメリット|注意点も解説 |
孤独死の葬儀までにかかる日数の目安
発見から葬儀までの日数は、数日から1週間程度のケースもあれば、1か月以上かかる場合もあります。
なぜこのような幅が生まれるのか、次項で詳しく解説します。
検視・検案にかかる一般的な日数
検視・検案から遺体を引き取れるまでの日数は、数日から1週間程度かかることが多いです。ただし、検案の終了までに1ヶ月以上かかるケースもあります。日数に幅が出るのは、警察の検視の混雑状況や、解剖が必要かどうかによって対応期間が変わるためです。
事件性の有無を慎重に確認する必要がある場合は、その分時間がかかります。地域や時期によっても所要日数は前後するため、はっきりした日数を伝えられないのが実情です。
目安として幅を持ってとらえ、警察からの連絡を待つ間に葬儀社への相談を進めておくと、その後の流れがスムーズになります。
孤独死の葬儀費用は誰が払う?
孤独死の葬儀費用は、以下の方法で支払うのが一般的です。
- 故人の財産から支払う
- 遺族や相続人が負担する
- 自治体が負担する
- 生活保護受給者は「葬祭扶助制度」を利用できる場合も
それぞれ詳しく解説します。
故人の財産から支払う
孤独死の場合も、葬儀費用はまず故人の預貯金などの財産から支払われるのが一般的です。
ただし、故人名義の口座は金融機関が死亡の事実を把握すると凍結され、遺産分割協議や相続手続きが完了するまで引き出せなくなります。そのため実務上は、喪主となった遺族などが一時的に葬儀費用を立て替え、後日、故人の財産から精算するケースが少なくありません。
| 【関連記事】 葬儀費用の平均は?葬儀費用の内訳や料金を抑える方法を解説 |
遺族や相続人が負担する
故人の財産だけで葬儀費用をまかなえない場合は、遺族や相続人が負担するのが一般的です。
ただし、相続人に葬儀費用の支払いを義務付ける法律はないため、誰がどのくらい負担するかは家庭ごとの話し合いで決められます。
実際には、喪主や葬儀を手配した人がいったん葬儀社へ支払い、その後、相続人同士で費用を分担したり、故人の遺産から精算したりするケースが多く見られます。
なお、相続放棄をした場合でも、扶養義務者として葬儀費用の負担を求められる可能性があるため注意が必要です。
| 【関連記事】 葬儀でもらえる給付金の申請方法とは?種類や金額と対象条件について |
自治体が負担する
遺体の引き取り手がいない場合や、引き取りが行われない場合は、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」に基づき、市区町村が火葬や埋葬を行います。
費用は、まず故人の財産から支払われるのが原則です。故人の財産だけでは足りない場合は、相続人や扶養義務者に費用の負担や償還を求められることがありますが、それでも費用を回収できない場合は、自治体が負担します。
自治体が行う火葬・埋葬は、一般的に読経や告別式などの儀式を伴わない「直葬」の形式となります。
葬祭扶助制度で葬儀費用の負担を抑えられる場合も
葬祭扶助制度は、葬儀をおこなう方が経済的に困窮していて費用を負担できない場合に、最低限の葬儀費用を自治体が支給する制度です。
「故人が生活保護を受けていれば使える」「身寄りがなければ誰でも使える」と誤解されがちですが、いずれもそれだけで適用されるわけではありません。
主に、喪主が生活保護を受給しているなどで親族の葬儀費用を捻出できない場合や、身寄りのない故人の葬儀を家主・民生委員などの第三者が手配する場合に利用できます。
ただし、故人に預貯金などの遺産があるときは、まずその財産を葬儀費用に充てることになり、それで足りる場合は対象外となります。
適用条件は故人の財産や葬儀をおこなう方の経済状況によって異なり、支給額や範囲も自治体で差があるため、詳しくはお住まいの自治体(福祉事務所)へご確認ください。
北海道札幌市の葬祭扶助制度については、下記の記事で詳しく解説しています。
| 【関連記事】 札幌市|故人・ご遺族が生活保護の場合の葬儀費用・扶助制度を解説 |
発見が遅れた場合の遺体の状態と特殊清掃の必要性
費用面に加えて、発見が遅れた場合に気になるのが遺体の状態です。特殊清掃について気になるポイントは次のとおりです。
- 発見が遅れた場合、遺体はどのような状態になるのか
- 特殊清掃が必要になるケースと費用の目安
- 特殊清掃業者はどこに相談すればよいか
ひとつずつ解説します。
発見が遅れた場合、遺体はどのような状態になるのか
発見までにかかった時間や、その時期の気温によって、遺体の状態は変化します。変化が進んでいる場合は、包帯や納体袋で覆われ、直接お顔を見てお別れできないこともあります。
北海道の冬季は気温が低いため、ほかの地域と比べて状態の変化が緩やかなケースもあるとされています。ただし、暖房が効いた室内では季節にかかわらず変化が進むこともあるため、一概には言えません。
どのような状態であっても、故人とはしっかりと向き合う必要があります。対応方法や費用などに不安がある場合は、葬儀社に相談しておくと安心です。
特殊清掃が必要になるケースと費用の目安
遺体の状態によっては、居室の消毒・清掃・原状回復をおこなう「特殊清掃」が必要になる場合があります。体液や臭気が床材・壁材に染み込んでしまっていると、通常の清掃だけでは対応しきれないためです。
特殊清掃の費用は、数万円から数十万円程度と幅があります。部屋の広さや発見までにかかった期間によって作業内容が変わるため、金額に開きが出ます。
正確な費用は現地確認をしないとわからないため、複数の業者から見積もりを取り、最適な料金とサービス内容を提示してくれた業者を選びましょう。
特殊清掃業者はどこに相談すればよいか
特殊清掃を依頼したい場合は、まず大家や不動産管理会社、または葬儀を依頼する葬儀社に相談してみましょう。特殊清掃は、これらの窓口経由で実績のある業者を紹介してもらえる場合が多いためです。
自分でインターネット検索だけで業者を探そうとすると、実績や対応範囲を見極めるのが難しく、思わぬトラブルにつながることもあります。
まずは身近な相談先である大家・管理会社や、依頼予定の葬儀社に率直に相談し、信頼できる業者につないでもらう流れが安心です。
引き取り手がない遺骨・遺品はどうなるのか
引き取り手のない遺骨・遺品がどのように扱われるかは、次のとおりです。
- 遺骨は自治体が一定期間保管した後に合祀(ごうし)される
- 遺品は相続財産清算人が処分する
ひとつずつ解説します。
| 【関連記事】 身寄りのない人の葬儀はどうなる?納骨・行政手続き・遺品の取り扱いについて解説 |
遺骨は自治体が一定期間保管した後に合祀(ごうし)される
引き取り手のない遺骨は、自治体が一定期間保管したうえで、合祀墓などに埋葬されます。保管期間は、あとから引き取りを希望する遺族が現れる可能性を考慮し、1年〜5年程度(一般的には5年程度)とするところが多いです。
ただし、注意が必要なのは、一度「合祀(他の遺骨と一緒に埋葬)」されてしまうと、後から特定の遺骨だけを取り出して引き取ることは二度とできなくなる点です。
保管期間や合祀の運用方法は自治体によって異なるため、正確な期限や引き取りに必要な手続き(親族関係の証明等)については、火葬をおこなった自治体の担当窓口へ速やかに確認する必要があります。
「今は関わりを持てなくても、あとから遺骨を引き取りたくなるかもしれない」と少しでも迷いがある場合は、手遅れ(合祀)になる前に、早急に自治体へ相談しておくことが重要です。
遺品は相続財産清算人が処分する
賃貸物件に住んでいた方がお亡くなりになり、身寄りがない場合や相続人が不明な場合、居室に残された遺品は家庭裁判所によって選任された「相続財産清算人(旧:相続財産管理人)」などが処分手続きをおこなうことがあります。
たとえば、相続人がいない場合や相続人の有無が分からない場合、裁判所の審判によって選任された相続財産清算人が、遺産の調査・管理や賃貸借契約の解約、遺品の整理・処分を進めます。
ただし、裁判所を通じた手続きには費用や時間がかかるため、近年では生前に指定された受任者や、残置物処理に関する契約に基づいて整理・処分がおこなわれるケースも増えています。
「誰が遺品を処分するのか」「勝手に処分されてしまわないか」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、基本的には法的な手続きやルールに基づいて対応が進められます。
もし「手元に残したい思い出の品がある」「遺品を引き取りたい」という場合は、放置せず速やかに大家や管理会社、警察等に連絡を入れて引き取りの意思を伝えることが重要です。
離れて暮らす親族の孤独死を防ぐためにできること

離れて暮らす親族の孤独死を防ぐために、今からできることは次のとおりです。
- 見守りサービスや民生委員を活用する
- 積雪期は特に安否確認の頻度を増やす
- 生前に葬儀の相談をしておく
ひとつずつ解説します。
見守りサービスや民生委員を活用する
離れて暮らす高齢の親族については、自治体の見守りサービスや民生委員による訪問を活用することで、異変の早期発見につながります。
具体的には、自治体が実施する高齢者見守り事業への登録や、電気・ガスの使用量をもとに異変を検知して知らせてくれるサービス、民生委員による定期訪問などがあります。複数のサービスを組み合わせて使っている方も少なくありません。
まずはお住まいの自治体の窓口やケアマネジャーに、どのようなサービスが利用できるか相談してみましょう。
積雪期は特に安否確認の頻度を増やす
北海道では、積雪期に除雪や外出が難しくなり、高齢の親族が孤立しやすくなります。雪かきの負担が大きくなったり、道路状況が悪化したりすることで、他者と顔を合わせる機会そのものが減りやすくなるためです。
たとえば、電話や訪問での安否確認に加え、玄関前の除雪状況を確認する、近隣住民や町内会と連携しておく、冬季限定の見守り訪問サービスを利用するといった方法があります。
「雪が積もっているのに連絡が取れない」という状態が続く場合は、早めに近隣の方や自治体に相談することも検討してください。
生前に葬儀の相談をしておく
孤独死そのものを完全に防ぐことは難しいものの、生前に葬儀の希望や費用について相談・準備しておくことで、いざというときの家族の負担を減らすことができます。
突然の連絡を受けて慌てて手続きを進めるより、事前に相談先を決めておいたほうが、費用面・手続き面の見通しが非常に立てやすくなるためです。
最近は、こうした相談をして、見積もりを取っておけるサービスも増えています。コープの葬儀相談でも、こうした生前の相談を受け付けていますので、備えの選択肢の一つとしてぜひ検討してみてください。
| 【関連記事】 葬儀の事前相談は大切!メリットや後悔しないための確認ポイントを解説 |
孤独死の葬儀は状況の整理と早めの相談が安心につながる
孤独死の場合も、遺族が遺体を引き取れれば、通常の葬儀とほぼ同じ流れで火葬・葬儀をおこなうことができます。
ただし、警察の検視や死体検案書の受け取りといった手続きが挟まるため、発見から葬儀までに数日から1週間程度かかることがあり、部屋の状態によっては特殊清掃が必要になる場合もあります。
費用負担についても、遺族が引き取るかどうかによって異なってきます。
まずは、ご自身が置かれている状況を整理し、警察や自治体、葬儀社に確認すべきことを一つずつクリアにしていくことが、落ち着いて対応するための近道です。
コープの葬儀相談では、こうした状況の整理から葬儀の手配まで、あわせて相談いただけます。「何から確認すればよいかわからない」というときは、お気軽にお問い合わせください。
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