四十九日法要の祭壇の飾り方|宗教・宗派別の違いと必要なもの一覧

「四十九日法要の祭壇に必要なものはなに?」
「祭壇の飾り方や、四十九日法要までのお供え方法を知りたい」
葬儀が終了したあとは、四十九日法要まで祭壇を設置して故人の冥福を祈ります。
祭壇の飾り方やお供えするものは、宗教・宗派によってさまざまです。
お供えしてはいけないものもあるため、初めて設置する場合は、前もって把握しておくことをおすすめします。
本記事では、四十九日法要まで設置する祭壇の飾り方・お供えしてはいけないもの・準備方法を解説します。
四十九日法要を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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<この記事でわかること> ・祭壇に必要なもの ・祭壇の飾り方 ・祭壇の準備方法 ・祭壇の片付け方 |
四十九日法要まで使用する祭壇を「後飾り祭壇」という

葬儀を執り行ったあと、四十九日法要まで設置する祭壇を「後飾り祭壇」と言います。
遺骨や位牌を祀るための祭壇で、宗教・宗派によって飾り方や供えるものが異なります。
設置は葬儀を担当した葬儀社が対応してくれるケースがほとんどです。
ただし、道具だけ用意して「設置は自分たちで」といったパターンもみられるため、事前に設置方法を確認しておくことをおすすめします。
なお、関西地方では「中陰壇(ちゅういんだん)」と呼ぶ所もあります。
四十九日法要の祭壇の作り方・飾り方

四十九日法要まで設置する後飾り祭壇は、白木や白の段ボール製の棚に白布(どんす)を掛ける形式が基本です。
祭壇の段数は自宅のスペースに合わせ、2段または3段で作成します。
それぞれの段数ごとの仏具の置き場所は、以下のとおりです。
| 3段の場合 | 上段 | ご遺骨・白木位牌(仮位牌) |
|---|---|---|
| 中段 | 遺影・お供物 | |
| 下段 | 線香台・火立て・線香差・花立・湯呑み・仏飯器・おりん…など | |
| 2段の場合 | 上段 | 遺影・白木位牌(仮位牌)・ご遺骨 |
| 下段 | 線香台・火立て・線香差・花立・湯呑み・仏飯器・おりん…など |
※地域や宗派によって、配置が異なる場合があります。
祭壇に乗り切らないお供物などは、小さなテーブルを別に用意して設置します。
設置場所は、お仏壇がある場合は仏壇の前に、ない場合は北側または西側に設置することが一般的です。
北側・西側の設置が難しい場合は他の場所でもかまいませんが、神棚の真下やトイレの近くは避けるべきとされています。
四十九日法要の祭壇に必要なもの

四十九日法要の祭壇を設置するにあたって、必要なものは以下の5つです。
- 五供
- 供花
- お菓子・果物
- 御霊供膳
- 仮位牌・本位牌
それぞれの内容を見ていきましょう。
五供

五供(ごくう)とは、お供物の基本とされている5つを指します。
| 五供の種類 | |
|---|---|
| 花 | 生花 |
| 飲食 | ご飯 |
| 浄水 | お水 |
| 香 | お線香 |
| 灯燭 | ローソク |
水とご飯は1日1回お供えします。時間に決まりはありませんが、朝食前に用意するのが一般的です。
お線香とローソクは、葬儀終了から四十九日法要まで絶やさず灯しておくべきとされています。
しかし、多忙な現代では現実的でないため、可能な範囲で灯を点ける程度で問題はありません。
自宅に電気のろうそくや吊灯篭があれば、四十九日法要まで灯しておくのがおすすめです。
なお、浄土真宗では五供をお供えしません。詳しくは、本記事の「宗教・宗派別|四十九日祭壇の飾り方」をご参照ください。
供花

祭壇には供花もお供えします。前項で紹介した飲食や浄水と異なり、毎日変える必要はありません。
ただし、花が傷んできたら撤去または交換しましょう。
選ぶ花の基準は、以下のとおりです。
|
<ふさわしい花の特徴> ・痛みにくいもの ・トゲがないもの ・香りが強くないもの ・毒がないもの |
具体的には、以下の花がよく選ばれています。
|
<よく選ばれている花の種類> ・菊 ・カーネーション ・胡蝶蘭 ・デンファレ |
近年は、タブーとされてきたバラなどを用いるケースも増えています。
色は白を基調としたタイプがほとんどです。
事情により生花を飾るのが難しい場合は、プリザーブドフラワーでも問題はありません。
また、寺院によっては祭壇ではなくお仏壇に供えるよう求められるケースもあります。
お菓子・果物

祭壇に飾るお菓子や果物には、特に決まりはありません。
日持ちする和菓子・洋菓子・故人が好きだったものなどをお供えしましょう。
なお、果物の場合は、丸い形のものをお供えするとよいとされています。
仏教では、魂の形が丸いと考えられているためです。
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御霊供膳

御霊供膳は「おりょうぐぜん・おりくぜん」と読み、御霊前・御仏前にお供えする精進料理の御膳を指します。
献立は、汁物1品とおかず3品(煮物・和え物・小皿)にご飯を加えた一汁三菜が基本です。
特に決められたメニューはなく、精進料理であれば問題ないとされています。
そのため、精進料理ではタブーとされている以下の素材は使用しないよう注意しましょう。
| 御霊供膳に使用してはいけない食材 | |
|---|---|
| 三厭(さんえん) | 肉・魚・卵など、動物性の食材 |
| 五葷(ごくん)・または五辛(ごしん) | ニンニク・ニラ・ネギ・ラッキョウなど、香りや辛味が強い食材 |
なお、漬物を切る際は、3切れを避けるのが基本です。
「3切れ=身を切る」として縁起が悪いと考えられているためです。
御霊供膳は、四十九日法要以外にも祥月命日やお彼岸で使用します。
仮位牌・本位牌

四十九日法要では、葬儀から使用していた白木位牌(仮位牌)から本位牌へ魂を移す儀式を執り行います。
そのため、法要までに本位牌の用意が必要です。
本位牌の作成には2週間前後かかるため、早めに依頼しておきましょう。
なお、魂を移し終えた後の白木位牌は、寺院にてお焚き上げしてもらいます。
宗教・宗派別|四十九日祭壇の飾り方

四十九日法要の祭壇は、宗教・宗派ごとに飾り方が異なります。
仏教の場合、宗派ごとに細かな違いはありますが、基本的な部分は共通しています。
ただし、浄土真宗だけは他の宗派と大きく異なります。
本項では、浄土真宗を含めた以下の宗教・宗派の祭壇について解説します。
- 浄土真宗(仏教)
- 神道
- キリスト教
ご自身の宗教・宗派にあてはめてチェックしてみてください。
浄土真宗(仏教)
浄土真宗では、一段のみの祭壇を使用します。
設置するのは以下の3点のみで、お水やご飯はお供えしません。
- 遺影
- 白木位牌(仮位牌)
- ご遺骨
水やご飯をお供えしない理由は、浄土真宗の教えが関係しています。
| <浄土真宗の教え>
逝去後はすぐに阿弥陀如来の元へ辿り着ける。阿弥陀如来がいる場所には、八功徳水と呼ばれる水があり、喉の渇きを潤す必要がない。食べ物も豊富にあるため、食べ物のお供えも不要。 |
神道
神道では「仮霊舎(かりみたまや)」と呼ばれる祭壇を用意します。
明確な期間はありませんが、逝去から50日目の五十日祭まで設置しておくのが一般的です。
五十日祭とは、仏教における四十九日法要のような儀式で、神道では五十日祭をもって忌明けとなります。
祭壇には左右の足が4本ずつある「八足祭壇」という台を使用します。
それぞれの段にお供えするものは、以下のとおりです。
| 仮霊舎のお供え方法 | |
|---|---|
| 上段 | 遺影・ご遺骨…など |
| 中段 | 霊璽(れいじ)・榊…など |
| 下段 | 三方・玉串・火立…など |
下段にお供えする三方(さんぽう)とは、供物・神酒・水を載せるための台を言います。
供物・神酒・水は「神饌(しんせん)」と呼ばれ、神様への感謝や敬意を伝えるために用意する大切なお供物です。
キリスト教
キリスト教の場合、設置する祭壇に特別な決まりはありません。
すでに祭壇がある場合はそれを利用し、ない場合は小さめの机に白い布をかけるだけでも構いません。
飾る期間は教派によって異なります。
| 後飾り祭壇を飾る期間 | |
|---|---|
| プロテスタント | 昇天記念日まで(逝去から1ヵ月後) |
| カトリック | 追悼ミサ(逝去から30日後) |
祭壇に飾るものは、以下の品々です。
|
<キリスト教の後飾り祭壇に飾るもの> ・遺影 ・ご遺骨 ・十字架 ・聖書 ・パン ・水…など |
四十九日法要の祭壇の準備方法

四十九日法要まで設置する後飾り祭壇の準備方法は、大きく3パターンあります。
- 葬儀社に設営を依頼する
- 葬儀社からレンタルする
- 自分たちで用意する
それぞれの方法や予算を解説します。
葬儀社に設営を依頼する
後飾り祭壇の設置費用がプラン内容に組まれているパターンです。
最も一般的な方法で、組み立てや設置まで葬儀社が対応してくれます。
プランには必要な仏具も含まれているため、ご遺族が用意するものはほとんどありません。
ただし、家族葬や直葬など、小規模な葬儀の場合はプランに含まれていない場合もあります。
『コープの家族葬』の場合、家族葬プラン・一日葬プラン・自宅葬プランには後飾り祭壇が含まれていますが、設置についてはプランにより対応が異なります。
また、火葬式プラン・安置直葬プランには、後飾り祭壇自体、含まれていません。詳しくは各地域の『コープの家族葬』スタッフへお問い合わせください。
葬儀社からレンタルする
葬儀社から後飾り祭壇の一式をレンタルするパターンです。
オプションとして追加料金を払って設置してもらいます。料金は葬儀社によってさまざまです。
費用はかかりますが、使用後は返却するだけのため処分の手間がかからないのがメリットです。
なお、仏具店でもレンタルしているところがあり、相場はおおよそ30,000円ほどです。
自分たちで用意する
自分たちで後飾り祭壇を購入し、用意するパターンです。
地元の仏具店やネットショップから購入できます。
祭壇のサイズや素材が選べるため、設置スペースが限られている方におすすめです。
費用を抑えたい場合は、数千円程度で用意できることもあります。
どうしても用意する余裕がない場合は、段ボールと白い布などで自作してもかまいません。
祭壇の素材や大きさよりも、故人を供養する気持ちが大切だからです。
祭壇設営から四十九日法要までに行うこと

後飾り祭壇は、火葬が終わって自宅へ戻った際に設置します。
その後にご遺族が行うことは以下のとおりです。
- 毎日ローソクと線香を灯す(可能であれば絶えず灯しておく)
- 毎日水とご飯をお供えする
- 7日ごとに法要を執り行う(近年は省略する家庭もあります)
そのほか、法要の日までに案内状を送付し、弔問客が訪れた際は対応します。
法要にそなえて、会食(お斎)の準備や、僧侶へお渡しするお布施の準備も進めていきましょう。
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四十九日法要の祭壇の片付け方

四十九日法要が終了したら後飾り祭壇は使用しないため、処分しても問題はありません。
処分方法は主に4つあります。
- ゴミとして捨てる
- お焚き上げしてもらう
- 葬儀社に回収してもらう
- 仏具店に引き取ってもらう
後飾り祭壇には故人の魂が宿っていないため、ゴミとして処分しても問題はありません。
自治体の分別に従って、適切に処分しましょう。
ゴミとして捨てるのが気が引ける場合は、お焚き上げを依頼する方法もあります。
一部の寺院ではお焚き上げに対応しているため、聞いてみるのがおすすめです。
そのほか、葬儀社や仏具店によっては回収を引き受けてくれる場合もあります。
また、処分せずに残しておき、お盆の盆棚や年忌法要でお供物を置く台として活用しても構いません。
【Q&A】四十九日法要や後飾り祭壇についてよくある質問

四十九日法要の後飾り祭壇に関するよくある質問をまとめました。
| Q.御霊供膳は毎日お供えしたほうがいいですか?
Q.お供えに故人の好物(生臭もの)をあげてもいいですか Q.頂いたお供物はどこに置けばいいですか? |
ひとつずつ回答します。
Q.御霊供膳は毎日お供えしたほうがいいですか?
A.毎日お供えするのが理想とされています。
地域や宗派によっては、7日ごとにお供えするほうがよいとも言われています。
ただし、忙しい場合は無理に用意する必要はありません。
四十九日法要の当日だけは忘れずに御霊供膳を用意し、その他の日は手を合わせるだけでも供養になります。
Q.お供えに故人の好物(生臭もの)をあげてもいいですか
A.近年は、故人の好物であれば生臭ものをお供えしてもよいという風潮があります。
ほかにも、お酒やタバコなどをお供えする家庭もあります。
ただし、四十九日法要当日は僧侶がいらっしゃるため、下げておくのがよいでしょう。
| 生臭ものとは
肉・魚など、動物性の食材を指します。 |
Q.頂いたお供物はどこに置けばいいですか?
A.お仏壇にお供えします。
参列者からお供物の掛け紙(のし)が読める向きでお供えするのがマナーです。
お仏壇に乗り切らない場合は、小さなテーブルなどを用意してお供えしましょう。
まとめ:四十九日法要までは後飾り祭壇を設置する

四十九日法要まで飾っておく祭壇を「後飾り祭壇」と言います。
祭壇には遺影・ご遺骨・お供物などを並べ、法要まで毎日手を合わせるのが基本です。
火葬が終わって自宅に帰ってから設置し、四十九日法要が終了したのち、処分します。
『コープの家族葬』では、後飾り祭壇もプランに含まれています。(※)
また、葬儀後のアフターフォローまで対応しているのが特徴です。
葬儀後の流れに不安がある方は、気軽に『コープの家族葬』へご相談ください。
(※)火葬式プラン・安置直送プランには含まれていません。
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