「家族葬に子どもを連れて行ってもいい?」
「子どもの喪服は何に気をつければいいの?」
家族葬は一般葬と比べて自由度の高い葬儀形式ですが、マナーは変わりありません。子どもであっても、故人や遺族に失礼がないよう、服装への配慮は必要です。
そこで、本記事では、家族葬における子ども服のマナーや、子ども用喪服の購入方法を解説します。
お子さんと家族葬に参列する予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
・家族葬に参列する際の子ども服のマナー
・子ども用の喪服を用意する方法
・家族葬へ参列にあたって服装以外で配慮するべきポイント
そもそも家族葬に子どもを連れて行ってもいいのか
家族葬とは、遺族や親しい身内・友人のみで小規模に執り行う葬儀の形式です。故人とゆっくりお別れがしたいというニーズの増加により、近年は多くの方が選択します。
一般葬と比べて自由度が高い葬儀の形式ですが、子どもと一緒の参列については正解がありません。
故人との関係性・参列するメンバー・葬儀場の環境・子どもの年齢などを考慮して決めるとよいでしょう。
例えば「故人が可愛がっていた子どもなので、葬儀に参列する」「葬儀場が自宅から遠いため、子どもの負担を考慮して参列は控える」のような形です。
不安な場合は、喪主と相談して決めるのがおすすめです。
家族葬における子どもの服装のマナー
以下の年齢別で、家族葬における服装のマナーを解説します。
- 0歳〜6歳
- 小学生
- 中学生・高校生
- 大学生
なお、家族葬であっても服装のマナーは変わりありません。弔事の場であることを忘れず、適切な服装で参列しましょう。
0歳〜6歳
0歳・1歳・2歳の乳幼児であれば、そこまで服に気を使う必要はありません。自宅に、黒・グレー・白などの落ち着いたカラーの服があれば、そちらを着せてあげましょう。
3歳・4歳・5歳・6歳も同様ですが、幼稚園生で制服がある場合は、制服が礼服となります。帽子は被らなくても問題ありません。
制服がない場合は、白いシャツ×グレー・黒のパンツ・スカート・ワンピースなどの組み合わせが適切です。寒い季節には、カーディガンやブレザーなどの羽織を用意します。
基本的に、派手な色味は避けましょう。ただし、制服のリボンについては例外です。
小学生
学校制服があれば制服を着用し、なければ落ち着いた色合いの服を用意します。基準は0歳〜未就学児と同様です。白シャツと暗い色のズボン・スカート・ワンピースなどを着用しましょう。
男の子の場合はポロシャツでもかまいません。女の子でスカートをはく場合は、丈が短くならないように注意しましょう。
なお、落ち着いた色とはいえカジュアルな服装はふさわしくありません。例えば、パーカー・スウェット・ジャージなどです。
また、白シャツからインナーが透けないよう、肌着の色にも配慮しましょう。キャラクター物は使われている色が多く透けやすいため、あまりおすすめしません。
靴下は、くるぶしよりも上にくる長さを選びます。短いソックス・裸足・女の子のニーハイソックス・リボンなどの装飾がついた靴下も避けましょう。
中学生・高校生
中学生や高校生は、学校制服を着用しましょう。本来は不適切とされるローファーも、学生であれば問題はありません。
リボンやネクタイが鮮やかな色の場合、外してもよいですし、そのままでもかまいません。靴下はくるぶしより上にくる長さを選びましょう。
大学生
大学生は、大人と同じく喪服を着用するのがマナーです。急な不幸で用意が間に合わない場合は、リクルートスーツでも問題はありません。
ただし、スーツの色がグレー・光沢のある素材・ストライプの柄などの場合は別の物を着用しましょう。
大学生になった際に喪服を1着用意しておくと、突然の不幸にも対応できます。
家族葬における子どもの身だしなみのマナー
家族葬に参列する際は、服装だけでなく以下の項目にも配慮しましょう。
- 髪型|清潔感を意識する
- 靴|シンプルなデザインを選ぶ
- 持ち物|年齢に応じて選択
それぞれのマナーを解説します。
髪型|清潔感を意識する
髪型は清潔感を意識しましょう。必要に応じて整髪料を使用するのも大切です。ただし、つけ過ぎはかえって不潔な印象になります。
また、女の子で髪が長い場合は、黒やグレーのゴムで結ってあげましょう。キャラクター物や色鮮やかなヘアアクセサリーはふさわしくないため、子どもが希望しても控えるのがマナーです。
靴|シンプルなデザインを選ぶ
黒色でシンプルな靴であれば、スニーカーなどでも問題はありません。無理に革靴を履かせる必要はないですが、できれば光沢のない素材が望ましいです。
学校指定の靴がある場合は、そちらを着用します。どうしても用意が間に合わない場合は、普段履いている靴で参列してもかまいません。
しかし、目立つ汚れがある場合は、できる限り落とすようにしましょう。
なお、サンダルはどの年齢であっても避けるのがマナーです。
靴のマナーについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【写真付き】葬儀に適した靴の選び方や男女子ども別のマナーを解説
持ち物|年齢に応じて選択
持ち物は年齢によって選択するようにしましょう。中学・高校・大学生であれば、大人と同じく、ハンカチ・数珠・ティッシュなどを用意します。
年齢の小さなお子さんであれば時間の長い家族葬に飽きてしまう可能性もあるため、音の鳴らないおもちゃなどを持っていきましょう。
ただし、音が鳴る物・光る物など、他の参列者に迷惑のかかる物は控えます。また、簡単につまめるお菓子があると、慣れない場所でも静かに過ごせる可能性があります。
女の子の場合は、アクセサリーなどを持ち込まないよう注意して見てあげましょう。
赤ちゃんは、普段使用している外出セットの他に、おもちゃなどを持っていくと安心です。
家族葬における子どもの服装で気をつけるポイント
家族葬に参列する場合、仏教ならではのマナーや、子どもだからこそ気にしてあげるべきポイントがあります。内容は以下のとおりです。
- 季節に応じて体温調整できる着こなしにする
- 殺生を連想させる素材は控える
ひとつずつみていきましょう。
季節に応じて体温調整できる着こなしにする
季節に応じて、衣類で体温調節しやすい服装を選んであげましょう。例えば、夏場であれば半袖のシャツ、冬場であれば羽織物やブーツを履かせるなどです。
家族葬では、葬儀場から火葬場への出入りがあり、屋外・屋内の移動が多いです。靴に関しては会場に到着してから履き替える形で問題ないため、暑さ・寒さ・転倒の危険が少しでもなくなる履き物を用意してあげましょう。
殺生を連想させる素材は控える
仏教において、殺生は絶対的なタブーとされています。そのため、毛皮・ファーなど、殺生を連想させる素材は原則禁止です。大人であってもルールは変わりありません。
なお、エナメル生地は本来タブーですが、子どもであれば許容されるケースがほとんどです。
ただし、中学生・大学生・高校生は基本的に大人と同じ配慮を心がけましょう。
子どもの喪服が購入できる場所
子どもの喪服をどこで用意できるかわからず、不安になる方もいらっしゃるでしょう。以下の方法であれば、0歳〜の喪服も購入できます。
- 西松屋など子ども用品の専門店
- ユニクロ・しまむらなどのチェーン店
- イオン・Amazon・楽天市場などの通販サイト
それぞれの特徴を解説します。
西松屋など子ども用品の専用店舗
西松屋など、子ども用品の専門店であれば乳幼児〜未就学児までの喪服をそろえられます。価格は2〜5千円ほどで、比較的リーズナブルです。「フォーマル用」として販売されているため、迷わず購入できる点もメリットです。
ユニクロ・しまむらなどのチェーン店
小学生以降であれば、ユニクロやしまむらなどがおすすめです。シンプルでベーシックな服が多く、価格も2〜5千円と比較的安価に購入できます。慶弔用のフォーマル衣装として、1セット用意しておくのもよいでしょう。
イオン・Amazon・楽天市場などの通販サイト
幅広い年齢のお子さんにおすすめなのが、イオン・Amazon・楽天市場などの通販サイトです。時間に余裕がある場合に限りますが、店舗では見つけられないサイズ・デザインも手に入ります。
子どもと家族葬へ参列する際のマナー・注意点
家族葬へ子どもと参列する際は、服以外にも配慮しなければならないポイントが多々あります。代表的なのが以下のポイントです。
- 遺族へ事前に伝える
- 葬儀場の環境を確認しておく
- 席は出入り口に近いところを選ぶ
- 焼香の際は誰かに預かってもらう
- 火葬場には無理に行かなくてもよい
それぞれのポイント・注意点をみていきましょう。
遺族へ事前に伝える
家族葬へ子どもを連れていく際は、事前に遺族へ伝えておきましょう。前もって伝えておけば、遺族側も子どもを受け入れる準備や心構えをしておけます。
葬儀場の環境を確認しておく
葬儀場によっては、おむつ替えや授乳する場所がない場合もあります。乳幼児と参列する際は、事前に確認しておきましょう。
また、一人で歩ける年齢のお子さんであれば、キッズルームがあるか確認しておくと葬儀に飽きてしまったときも安心です。
席は出入り口に近いところを選ぶ
子どもがぐずった際にすぐ退席できるよう、座席はドアの近くにしてもらいましょう。座る場所が本来の座席マナーと異なる位置であっても、子どもがいる場合は容認されます。
なお、家族葬の最中に中座する行為はマナー違反ではありません。葬儀社によっては、スタッフが配慮して出入り口に近い席へ誘導してくれるケースもあります。
焼香の際は誰かに預かってもらう
抱っこが必要な子どもの場合、焼香時は誰かに預かってもらいましょう。抱っこしたまま焼香をする行為自体はマナー違反でないものの、火のそばに近づく必要があるためです。
なお、抱っこして焼香をする場合、優先するべきは子どもの安全です。焼香のマナーは守れなくてもいいので、安全に配慮しつつ、故人へ心からの祈りを込めましょう。
火葬場には無理に行かなくてもよい
家族葬のあとは、火葬場へ移動してご遺体を火葬します。火葬は2時間前後かかるため、子どもの負担が大きくなる場合は、無理して参列しなくても問題はありません。葬儀に参列してくれただけでも、故人は喜んでくれているはずです。
遺族には「子どもの負担を考えて」など理由を伝え、葬儀のみで退席しても失礼には当たりません。
家族葬における大人の服装マナー
家族葬においては、子どもの服装だけでなく、親や大人たちが服装のマナーに配慮することも大切です。本章では、喪主・遺族、参列者の立場に分けて、服装のマナーを解説します。故人に失礼がないよう、前もってマナーを把握しておきましょう。
喪主・遺族
原則、喪主・遺族は正喪服を着用します。しかし、家族葬の場合は準喪服を着用するケースがほとんどです。男性であればブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを用意しましょう。
靴・靴下・ネクタイ・ベルトは黒に統一し、結婚指輪以外のアクセサリーは外します。革・エナメル素材はタブーとされているため、布製の黒いハンドバッグを用います。
参列者
参列者は準喪服を着用するのが基本です。「平服で」という申し出があった場合は、略喪服を着用します。準喪服のマナーは喪主・遺族のマナーと同様です。
略喪服の場合、男性は地味な色味のスーツと白シャツを着用します。ネクタイ・靴・靴下は黒でそろえるのがマナーです。
女性は、黒・グレー・濃紺のワンピース・アンサンブル・スーツなどを着用しましょう。足元は黒ストッキング、黒パンプスを用意します。
バッグは、喪主・遺族の場合と同じです。
【Q&A】家族葬における子どもの服装でよくある質問
家族葬における子どもの服装でよくある質問をまとめました。内容は以下のとおりです。
Q.子どもでもネクタイはした方がよい?
Q.家族葬後の法事・法要の際の服装は?
Q.家族葬にベビーカーは持って行っていい?
ひとつずつ回答します。
Q.子どもでもネクタイはした方がよい?
A.あれば着用したほうがよいですが、無くても問題はありません。重要なのは、服装の色味やデザインです。
Q.家族葬後の法事・法要の際の服装は?
A.家族葬のあとに行われる四十九日法要や一周忌などのマナーも、基本的には葬儀のときと変わりありません。「葬儀でないから」と気を抜かず、弔事にふさわしい装いを心がけましょう。
Q.家族葬にベビーカーは持って行っていい?
A.ベビーカーの持ち込みは問題ありません。なお、葬儀の最中に折りたたんでおいておく場合は、スタッフへ置き場所を確認しておきましょう。
まとめ:身内のみの家族葬であっても節度ある服装を心がけましょう
家族葬は、親しい身内や友人のみで執り行う小規模な葬儀の形式です。気心の知れた方々で執り行うケースがほとんどとはいえ、服装への配慮は必要です。
子どもの場合は大人より厳密なルールはないものの、黒を基調としたシンプルで清潔感のある装いを心がけましょう。
家族葬は故人を見送る大切な儀式のため、場にふさわしい服装を着用するのがマナーです。
コープの家族葬では、少人数で故人を大切に見送る『家族葬プラン』を用意しています。手頃な価格で、満足のいく家族葬が可能です。会場は自宅のようにくつろげる空間となっており、お子さんも安心して参列いただけます。
家族葬以外のプランも豊富に用意しているため、気になる方はコープの家族葬公式サイトから各プランをご確認ください。