2025.08.31

家族のみで行う四十九日法要の案内状|例文と基本マナーを解説

案内状は必要か

「四十九日法要を家族のみで行う場合、案内状には何て書けばいい?」
「そもそも、家族のみの四十九日法要に案内状は必要なの?」
「案内状を出す場合、どんなところに気をつければいい?」

四十九日法要に限らず、法要を執り行う際は、参列いただく方に日時や場所を記載した案内状を送付します。

しかし、家族のみで執り行う場合、状況によっては案内状が不要なケースも少なくありません。

本記事では四十九日法要の案内状が不要なケース・基本的なルール・書き方・案内状の例文を解説します。

四十九日法要の案内状の内容に困っている方、そもそも送るべきか決めかねている方は、ぜひ参考にしてみてください。

<この記事でわかること>

・家族のみの四十九日法要に案内状が必要か否か

・四十九日法要の案内状の基本ルールや構成

・四十九日法要の案内状の例文

 

家族のみの四十九日法要に案内状は必要か

家族のみの四十九日法要に案内状は必要か

四十九日法要の案内状とは、日程・場所・会食の有無などを参列者に伝えるための文書です。

家族だけで法要を行う場合、案内状が必要かどうかは、状況に応じて判断します。

一般的な基準は以下のとおりです。

<案内が必要なケース>

・家族でも遠方に住んでいる場合

・しばらく連絡を取り合っていない親族がいる場合

・家族ではないが、参加を希望している方がいる場合

 

<案内状が不要なケース>

・家族全員が近くに住んでいて、頻繁に連絡を取り合っている場合

・皆がすでに四十九日法要の日程や場所を把握している場合

・口頭・メール・LINEでの連絡で十分と判断した場合

 

四十九日法要の案内状のタイプ

案内状のタイプ

四十九日法要の案内状には、以下のタイプがあります。

<主な案内状の形状>

・官製はがき

・往復はがき

・封筒+案内カード

・封筒+案内カード+返信用はがき

・封筒+二つ折りの案内カード+返信用はがき

丁寧な印象を与えたい場合は、封筒+案内カードの形をおすすめします。

家族のみで執り行う場合は、はがきでも問題ありません。

メールやLINEでも十分な場合もあります。

 

四十九日法要の案内状の基本ルール

四十九日法要の案内状の基本ルール

案内状には、普通の手紙と異なるルールがあります。

  • 縦書きで書く
  • 濃墨で書く
  • 句読点は使用しない
  • 冒頭のスペースは不要
  • 忌み言葉は避ける

家族のみの四十九日法要であっても案内状を送付する場合はあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

 

縦書きで書く

案内状は縦書きで記載する決まりとなっています。

日本では、昔から公式な文章や手紙は縦書きで作成されており、案内状も儀礼的に縦書きが基本となっているためです。

家族のみの四十九日法要であっても、礼儀・礼法を重んじて縦書きで記載しましょう。

 

濃い墨で書く

四十九日法要の案内状は、濃い墨で記入します。

薄墨で記入する葬儀の案内と異なり、あらかじめ日程が決まっている法要の場合、濃い墨が適切とされているためです。

なお、北海道では、葬儀の案内においても濃い墨を使用する地域が大半です。

 

句読点は使用しない

四十九日法要の案内状を含め、弔事に関連する文書では句読点を使用しないルールがあります。

理由は以下のとおりです。

  • 法要が滞りなく終了するようにと願いを込める意味
  • 毛筆での縦書きの文化を継承している

句読点を使用しないため、文章を区切る際は1文字分のスペースを入れます。

 

冒頭のスペースは不要

縦書きの文章の場合、一段落目は1文字分下げる字下げ」のルールがありますが、四十九日法要の案内状には不要です。

字下げをしない理由は、句読点のときと同じく、毛筆での書き方が慣習として残っている、という説が伝えられています。

そのため、最初から文章を書きはじめても問題ありません。

 

忌み言葉は避ける

弔事全般では、「忌み言葉(いみことば)」は避けたほうがよいとされています。

忌み言葉とは、不幸の連続や、不吉な出来事を連想させる単語を指します。

該当する言葉は以下のとおりです。

<重ね言葉:不幸が重なることを連想させる言葉>
例:重ね重ね、いよいよ、つくづく…など
<不幸の連続を連想させる言葉>
例:もっと・再び・続いて・何度も…など
<不吉な意味を持つ言葉>
例:消える・落ちる・浮かばれない…など
<直接的な表現>
例:死亡・死・急死…など

そのほか、数字の「4」と「9」は「死」「苦」を連想させるため、使用するべきではないとされています。

ただし「四十九日」のような、日付を記入する分には問題ありません。

【関連記事】
注意!葬儀で控えるべき「忌み言葉」の一覧と言い換え方を解説

 

四十九日法要の案内状の送り方・タイミング

案内状を送るタイミング

四十九日法要の案内状を送る際に気をつけるポイントは2つあります。

  • 遅くても2週間前には差し出す
  • 弔事用の切手を使用する

通常、法要の案内状は開催日の1〜2ヵ月前に発送するのが理想とされています。

しかし、四十九日法要の場合は2ヵ月前の発送が難しいため、準備ができたらなるべく早めに送付しましょう。

遅くても、2週間前には差し出す必要があります。

案内状を送付する際は、可能であれば弔事用の切手を使用します。

弔事用の切手は、郵便局の窓口や郵便局の公式オンラインショップ、一部コンビニで購入可能です。

用意できない場合は、通常の切手でもかまいません。

ただし、華やかなデザインや、キャラクターが描かれたものは避けましょう。

 

四十九日法要の案内状に記載する内容

四十九日法要の案内状に記載する内容

案内状に記載する内容は、ある程度決められています。

  • 頭語と結語
  • 時候の挨拶
  • 相手を気遣う文言
  • 誰の四十九日法要か
  • 法要の日時と場所
  • 会食(お斎)の有無
  • 返信の方法と期日
  • 差出人の名前と連絡先

家族のみの法要であっても、記載する内容は変わりません。

以降では、案内状に記載するべき内容について解説します。

 

頭語と結語

文章の書き始めと終わりに「頭語(とうご)」と「結語(けつご)」を記載します。

頭語・結語は、手紙の「こんにちは」「さようなら」にあたります。

案内状に使用される代表的な頭語と結語は以下のとおりです。

頭語 対応する結語
拝啓 敬具・敬白
謹啓 謹言・謹白

拝啓よりも謹啓のほうが、より丁寧でかしこまった印象を与えます。

 

時候の挨拶

頭語の後には季節を表す「時候の挨拶」を入れます。

月ごとにふさわしい挨拶が決められているため、案内状を出す時期に適した言い回しを使用しましょう。

時候の挨拶の一例は、以下のとおりです。

時候の挨拶の例
1月 初春の候
2月 晩冬の候
3月 早春の候
4月 春色の候
5月 新緑の候
6月 初夏の候
7月 盛夏の候
8月 季夏の候
9月 初秋の候
10月 紅葉の候
11月 晩秋の候
12月 初冬の候

 

相手を気遣う文言

時候の挨拶に続いて、相手を気遣う文面を添えます。

よく使用される文は以下のとおりです。

  • 皆様におかれましてはご清祥のことと存じます
  • 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます
  • 皆様方には益々ご健勝のことと存じます

家族のみの法要であっても、形式を守った案内文を用意する際には、入れておくことをおすすめします。

なお、少し砕けた文面にしたい場合は「その後 お変わりありませんか」のような表現でもかまいません。

 

誰の四十九日法要か

「誰の」「なんの法要か」を明記します。文章の例は、以下のとおりです。

  • 来る○月○日は 亡き父○○○○(故人の名前)の四十九日法要にあたります
  • 亡き父○○○○(故人の名前)の四十九日法要を営むことになりました

四十九日法要は「七七日法要」と表現する場合もあります。

重要な部分となるため、必ず記載しましょう。

 

法要の日時と場所

法要の日時と場所を具体的に記します。

記載方法の例は、以下のとおりです。

日時 ○○年○月○日(○)午後○時より

会場 ○○市○○町○○丁目○○番地

電話 ○○-○○○○-○○○○

自宅以外が会場となる場合は、参列者がわかりやすいように地図を添えてあげると丁寧です。

 

会食(お斎)の有無

四十九日法要のあとに会食があるかも記載します。

文章のなかでは、「会食」ではなく「お斎(おとき)」または「粗餐(そさん)」と記載します。

一般的な文例は以下のとおりです。

  • 尚 法要後は供養の粗餐をご用意いたしております
  • 尚 法要後は○○亭にて粗餐を差し上げたいと存じます

会食をしない場合は、その旨を記載するか、何も書かないで送ります。

 

返信の方法と期日

案内状の最後には、出欠の返信方法と期日を記載します。

会食の準備に必要となる情報のため、必ず記載しましょう。

文章の例は以下のとおりです。

  • お手数ながら ○月○日までにお知らせ頂けますようお願い申し上げます
  • お手数ながら 同封の返信はがきにて ○月○日までにご返信賜りたくお願い申し上げます

 

差出人の名前と連絡先

差出人の住所・氏名・電話番号も記入します。喪主の名前を添えるのが慣例です。

家族のみの四十九日法要であっても、必ず記載しましょう。

参列者が会場までの道に迷ったときや連絡を取りたいときに役立ちます。

 

家族のみで四十九日法要を執り行う際の案内状の例文

家族のみで四十九日法要を執り行う際の案内状の例文

家族のみで四十九日法要を執り行う際の案内状の例文を、以下のパターンに分けて紹介します。

  • 寺院で執り行う場合
  • 自宅で執り行う場合
  • 納骨式を同時に行う場合

ご自身の状況に合わせて、参考にしてみてください。

 

寺院で執り行う場合

寺院で四十九日法要を執り行う場合の例文は、以下のとおりです。

寺院で執り行う場合

拝啓 ○○の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます

この度 左記の日程にて 亡き父○○○○(故人の名前)の四十九日法要を営むことになりました ご多用中誠に恐縮ではございますが ご臨席を賜りたくご案内申し上げます

令和○○年○○月

日時 ○○年○月○日(○)午後○時より

会場 ○○寺 住所○○市○○町○○丁目○○番

       電話 ○○-○○○○-○○○○

お斎 ○○市○○町○○丁目○○番

尚 法要後は供養の粗餐をご用意いたしております

〒○○○-○○○○ ○○市○○町○○丁目○○番

喪主 ○○○○

親戚一同

※お手数ながら ○月○日までにお知らせ頂けますようお願い申し上げます

 

お寺の場所がわからない家族がいる場合は、地図を添付してあげると丁寧です。

 

自宅で執り行う場合

自宅で四十九日法要を執り行う際の例文は、以下のとおりです。

自宅で執り行う場合

拝啓 ○○の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます

この度 ○月○日(○)午後○時より 自宅にて 亡き父○○○○(故人の名前)の四十九日法要を営むことになりました

法要後は供養のしるしに○○○○にて粗餐を差し上げたく存じます

ご多用中誠に恐縮ではございますが ご臨席を賜りたくご案内申し上げます

令和○○年○○月

〒○○○-○○○○ ○○市○○町○○丁目○○番

喪主 ○○○○

親戚一同

※お手数ながら ○月○日までにお知らせ頂けますようお願い申し上げます

 

納骨式を同時に行う場合

四十九日法要と同時に納骨式を行う場合の例文は、以下のとおりです。

納骨式を同時に行う場合

拝啓 ○○の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます

この度 左記の日程にて 亡き父○○○○(故人の名前)の四十九日法要と併せて納骨式を営むことになりました ご多用中誠に恐縮ではございますが ご臨席を賜りたくご案内申し上げます

日時 ○○年○月○日(○)午後○時より

会場 ○○市○○町○○丁目○○番

電話 ○○-○○○○-○○○○

お斎 ○○市○○町○○丁目○○番

尚 法要後は供養の粗餐をご用意いたしております

〒○○○-○○○○ ○○市○○町○○丁目○○番

喪主 ○○○○

親戚一同

※お手数ながら ○月○日までにお知らせ頂けますようお願い申し上げます

 

【Q&A】四十九日法要の案内状でよくある質問

Q&A

四十九日法要の案内状でよくある質問をまとめました。

Q.出席を控えてもらう親族にも案内状を送ったほうがいいですか?

Q.案内状は印刷と手書きどちらがいいですか?

Q.香典や供花・供物を辞退したい場合は、どうすればいいですか?

ひとつずつ回答します。

 

Q.出席を控えてもらう親族にも案内状を送ったほうがいいですか?

A.案内状を送付しても問題ありません。

また、前もって口頭や電話で伝えておくのもおすすめです。

案内状を送らない場合は、四十九日法要を終えたあとに報告の挨拶状を送るとよいでしょう。

 

Q.案内状は、印刷と手書きどちらがいいですか?

A.印刷と手書き、どちらでも問題はありません。

ただし、手書きのほうがより丁寧な印象を与えられます。

 

Q.香典や供花・供物を辞退したい場合は、どうすればいいですか?

A.香典や供花・供物を辞退する場合は、以下のような文面を記載するとよいでしょう。

  • お香典 ご供花などにつきましては辞退させていただきたく存じます

電話で法要について伝える場合は、口頭でも問題ありません。

 

まとめ:家族のみの四十九日法要で案内状を送付するかは状況によって異なる

まとめ

四十九日法要を家族のみで執り行う場合、案内状を送付するかは状況によって異なります。

家族同士で頻繁に連絡を取り合っている場合は、口頭・電話・メールで問題はありません。

家族でも遠方に住んでいたり、しばらく連絡をとっていなかったりする場合は、案内状で知らせるとよいでしょう。

案内状の文章は、家族のみの場合でも大きく変わりありません。

本記事で紹介している例文をもとに、ご自身の状況に合わせて作成してみてください。

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