2025.11.29

遺影写真のサイズと選び方|用途別の一覧表と写真の選定方法を解説

「遺影写真は、どのサイズにするのが正解?」
「葬儀で飾るのに恥ずかしくない遺影写真にしたい」

初めて葬儀を執り行う方のなかには、遺影写真をどのサイズにすればいいか分からず、不安になってしまう方も少なくありません。

遺影写真の大きさに決まりはありませんが、飾る場所によってある程度の大きさは決められています。

本記事では、一般的な遺影写真のサイズや、写真を選ぶ際のポイントを解説します。

遺影写真のサイズで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

<この記事でわかること>

・遺影の一般的なサイズ
・遺影のサイズの選び方
・遺影写真の選び方
・遺影の準備方法

遺影写真を用意する意味

遺影写真を用意する意味

遺影写真は、お通夜やご葬儀の際に祭壇に飾られる故人の写真です。

参列者が故人を偲び、生前の姿を思い出しながら最後の別れを告げるために用意します。

葬儀場で故人を象徴するものとして使用され、葬儀後は仏壇のそばや自宅に飾られます。

宗教的な意味合いはないため、必須ではありません。しかし、ほとんどの葬儀では用意するのが一般的です。

遺影写真のサイズは用途で選ぶ|一般的なサイズと選び方のポイント

遺影写真のサイズは用途で選ぶ

葬儀では、「祭壇用」と「焼香台用」の2種類の遺影写真を用意します。それぞれの一般的なサイズは、以下のとおりです。

遺影写真の用途 一般的なサイズ
祭壇用の写真 ・四つ切り
・A4
焼香台用の写真 ・2L判
・L判
・キャビネ
・小キャビネ

遺影写真のサイズに決まりはないため、表と異なる大きさを選んでも問題ありません。

以降では、用途別のサイズについて解説します。

祭壇用の写真

祭壇用の写真

葬儀場の祭壇に飾る遺影写真は、離れた席からでも故人様の顔がはっきりと見えるよう、大きめのものを用意します。一般的なサイズは以下のとおりです。

祭壇用の一般的なサイズ 大きさ
四つ切り 25.4cm×30.5cm
A4 21.0cm×29.7cm

四つ切りサイズは、祭壇用の遺影写真として主流なサイズです。後ろに座っている参列者からでも故人様の表情がはっきりと見えます。

A4サイズは、四つ切りサイズに次いで一般的なサイズで、家族葬のような比較的コンパクトな葬儀で選ばれる傾向です。

なお、大規模な葬儀の場合には、四つ切りサイズより大きな半切サイズ(47.2cm×36.5cm)を使用する場合もあります。

葬儀社によっては、「全紙サイズ(60.9cm×45.7cm)」や、「A3サイズ(42.0cm×29.7cm)」を用意しているところもあります。

焼香台用の写真

焼香台用の写真

焼香台用の写真は、手元で故人様を見られるよう、比較的小さいサイズが選ばれます。

葬儀後にご自宅に飾る用としても使用されるため、省スペースに収まるよう作成します。一般的なサイズは以下のとおりです。

焼香台用の一般的なサイズ 大きさ
2L判 12.7cm×17.8cm
L判 8.9cm×12.7cm
キャビネ・小キャビネ 12cm×17cm前後

2L判・キャビネ・小キャビネサイズは、故人様の表情をしっかり確認できる大きさです。ご自宅で飾る場合にも、写真立てなどに収めやすく人気があります。

L判は最もコンパクトなサイズです。ご自宅のちょっとしたスペースに飾るのにぴったりです。

手元供養として常に身近に置いておきたい場合や、写真立てに入れて飾るなど、柔軟な使い方ができます。

遺影にふさわしい写真を選ぶには?5つのチェックポイント

遺影にふさわしい写真

遺影用にふさわしい写真を選ぶためには、以下の5つのポイントを確認しましょう。

  • ピントがお顔に合っているか
  • 画素数やお顔の大きさが十分か
  • 故人らしさが伝わる表情・雰囲気か
  • 逝去から10年以内に撮影した写真か

それぞれのポイントを見ていきましょう。

【関連記事】

家族葬にふさわしい遺影写真とは?選び方のポイントや葬儀後の取り扱いについて解説

ピントがお顔に合っているか

遺影写真を選ぶ際は、故人様の顔にピントがしっかり合っているか確認しましょう。

ピントがぼけていると、遺影にしたときにお顔がぼやけてしまい、故人様の表情が伝わりにくくなってしまいます。

ピンボケしてしまった写真を加工できれいにするのは難しいため、まず故人様の顔にピントが合っているかどうかを最優先でチェックしましょう。

なお、背景や服装については、以下のような修正が可能なため、過度に気にする必要はありません。

背景の加工 人物だけを切り抜いて、好きな色の背景に差し替えられる
または、桜や富士山などの好きな背景への変更も可能
服装の加工 スーツ・着物・ドレスなどの服装に自然な形で合成可能

画素数やお顔の大きさが十分か

写真の画素数や解像度が十分かどうかも確認しましょう。遺影写真は、元の写真を大きく引き伸ばして使います。

そのため、元の写真の解像度が不足していたり、お顔が小さすぎたりしている場合、拡大した際に画像が粗くなってしまう可能性があります。

画素数や写真の大きさの基準は以下のとおりです。

遺影写真の画質の基準
デジタル写真 200万画素以上
アナログ写真 故人様のお顔が10円玉以上

近年のスマートフォンやデジタルカメラで撮影したものであれば、上記の基準を満たしているケースがほとんどです。

ただし、古い機種で撮った写真は画素数が少ない可能性があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

<画素数の調べ方>

【パソコンの場合】
写真ファイルを右クリックし「詳細」や「プロパティ」を選択すると確認可能
【スマートフォンの場合】
「詳細を見る」「情報を見る」といった項目から確認可能

故人らしさが伝わる表情・雰囲気か

遺影写真は、故人様の人柄や雰囲気がよく表れている写真を選ぶのが好ましいとされています。

以前は和装でかしこまった表情の写真が主流でしたが、近年は人柄が伝わる自然な写真が選ばれる傾向にあります。

趣味を楽しんでいる姿・お気に入りの場所にいる写真など、生前の人柄や性格が伝わる一枚を選びましょう。

なお、必須ではありませんが、カメラ目線の写真のほうが適しているとされています。

葬儀場で飾った際に、故人様と向き合っているような気持ちでお別れを告げられるためです。

逝去から10年以内に撮影した写真か

撮影時期は、亡くなる5〜10年前以内が良いとされています。あまりに昔の写真の場合、生前の姿とかけ離れてしまうためです。

ただし、長い闘病生活で最近の元気な写真がない場合や、本人が希望した場合は、10年より前の写真が選ばれることもあります。

いつの写真でも、ご本人やご遺族が納得しているようであれば、使用可能です。

遺影写真は生前に準備しておくのがおすすめ|事前に用意する2つのメリット

遺影写真は生前に準備しておくのがおすすめ

近年、終活の一環としてご自身の遺影写真を選ぶ方が増えています。遺影写真を生前に準備しておくのには、2つのメリットがあります。

  • 自分が納得できる写真を選べる
  • 残された遺族の負担を軽減できる

自分が納得できる写真を選べる

生前に準備しておく最大のメリットは、自分の気に入った1枚を遺影に使用できる点です。

自然な笑顔や、趣味の服装など、自分らしさを表現した納得のいく1枚を遺影写真として残せます。

写真館で撮影をすれば、肌質の補正や背景調整まで自分の好きなように調整できます。

残された遺族の負担を軽減できる

生前に遺影写真を用意しておけば、逝去後のご遺族の負担を軽減できます。

遺影写真は、お通夜の開始前までに作成しておかなければなりません。

葬儀直前は慌ただしく、ご家族が故人様の写真を探したり選んだりする時間は限られています。

生前に遺影を用意しておけば、ご遺族は急な選択を迫られることなく、故人様自身が納得した写真を遺影として選択できます。

遺影写真の準備・作成を依頼する方法は3つ

遺影写真の準備・作成を依頼する方法は3つ

遺影写真の作成方法は、主に3つあります。

  • 写真館
  • ネットサービス
  • 葬儀社

プロに依頼すれば、高品質な写真を残せます。

写真館

メリット デメリット
・高品質な仕上がりになる
・加工や合成の幅が広い
・費用がかかる
・完成までに数日必要

写真館のような専門業者では、専門機材を使用した高品質な画像補正や合成が可能です。

背景の変更・和装への着せ替え・写真の明るさ補正・傷やシミの修復など、細部まで対応してもらえます。

元の写真の状態があまり良くない場合でも、プロの技術で美しく仕上げてもらえるのがメリットです。

一方で、数千円〜1万円前後の費用が発生します。完成まで数日かかる場合もあるため、急ぎで依頼したい場合には向いていません。

※写真館によっては、最短当日仕上げのサービスを用意しているところもあります。

ネットサービス

メリット デメリット
・自宅から手軽に依頼できる
・価格が比較的安い
・自分で元となる写真を用意する必要がある

インターネット経由で依頼できるプリントサービスや写真加工サービスもあります。

ご自宅から写真データを送るだけで加工・印刷を注文でき、比較的安く利用できます。

全国どこからでも注文でき、手軽に依頼できるのがメリットです。

依頼する際は、利用者のレビューなどを参考に、信頼できる業者を選びましょう。

葬儀社

メリット デメリット
・葬儀準備の一環として手配できる
・祭壇や葬儀の規模に合わせた遺影を作れる
・写真館ほど高度な加工に対応していないケースが多い

葬儀を依頼する際に、遺影写真のサイズ変更や額縁の手配も含め、葬儀全般の準備と合わせてトータルで相談できます

葬儀全体のバランスを踏まえて適切なアドバイスを受けられるため、遺影写真の準備にかかる手間が少なく、ご遺族にとって安心感があります。

額縁(フレーム)の種類と選び方

額縁(フレーム)の種類と選び方

額縁は、遺影の印象を左右するポイントです。以前は黒が一般的でしたが、現在では白・木目調・ピンクなど、多様な色から選択できるようになっています。

素材は、木製・金属製・樹脂製など、さまざまです。温かみを重視するなら木製、洗練された印象にしたいなら金属製など、目的に応じて選びましょう。

また、額縁と写真の間に余白(マット)を入れると、写真が強調されすぎず、落ち着いた遺影に仕上がります。

【関連記事】

家族葬にふさわしい遺影写真とは?選び方のポイントや葬儀後の取り扱いについて解説

【Q&A】遺影写真に関してよくある質問

【Q&A】遺影写真に関してよくある質問

遺影写真に関して、よくある質問をまとめました。

  • Q.遺影写真の飾り方や飾る期間にルールはありますか?
  • Q.遺影写真を処分するにはどうすればいいですか?
  • Q.遺影写真は自分で作れますか?

Q.遺影写真の飾り方や飾る期間に決まりはありますか?

A.遺影写真の飾り方や飾る期間には、宗教的な慣習があります。

仏教の場合、四十九日の間は、後飾り祭壇に飾るのが一般的です。四十九日以降は、仏壇の近くやリビングなど、家族が見やすい場所に移して飾ります。

ただし、宗派や地域によって細かい慣習が異なる場合もありますので、心配な場合は事前に確認することをおすすめします。

ご遺族の家庭の都合や故人様の希望に合わせて、柔軟に扱って差し支えありません。

【関連記事】

遺影の置き場所の正解は?避けるべき場所・注意点・正しい飾り方を解説

Q.遺影写真を処分するにはどうすればいいですか?

A.具体的な処分方法は3つあります。

  • 自治体のごみとして廃棄する
  • お寺などでお焚き上げ供養してもらう
  • 遺影供養を専門とする業者に委託する

また、葬儀社に相談すれば、引き取ってもらえる場合もあります。

一般家庭ごみに出す際は、額縁と写真を分別し、地域のルールに従うようにしましょう。

コープの家族葬では、弊社で葬儀を執り行っていただいた場合、遺影のお焚き上げ供養を承っています(1枚2,000円)。そのほか、葬儀後の法要や法的手続きのフォローも対応可能です。どうぞお気軽にご相談ください。

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Q.遺影写真は自分で作れますか?

A.作れないことはありませんが、プロに依頼することをおすすめします。

近年はアプリやソフトで簡単に遺影写真用に加工でき、費用をほとんどかけずに自宅で編集・印刷できるようになりました。

しかし、自分で遺影写真用に加工する場合、画質が劣化するリスクや不自然な仕上がりになる可能性があります。

加工技術に少しでも不安がある場合は、プロにお願いしたほうが無難です。

『コープの家族葬』では生前のお写真を使用したスライドショーが可能

『コープの家族葬』では、故人様との大切な思い出を振り返っていただけるよう、お預かりしたお写真でオリジナルスライドショーの作成が可能です。

遺影写真とは別になりますが、在りし日のお姿やご家族様との時間を映し出せるため、心温まる、かけがえのないお見送りの時間となります。

※スライドショーに対応しているのは『コープの家族葬』の斎場である「フリエ」や、提携斎場の「ウィズハウス」となっています。

『コープの家族葬』のプランについて見てみる

まとめ:遺影写真のサイズは用途と飾る場所によって決まる

遺影写真は、葬儀の祭壇用の大きなサイズと、焼香台用の小さなサイズの2つを用意します。

祭壇用は「四つ切り」や「A4サイズ」、焼香用は「2L判・L判・キャビネ・小キャビネ」のいずれかを選択するのが一般的です。

遺影写真は、葬儀だけでなく、その後の供養にも使用される唯一の写真です。

葬儀での見えやすさだけでなく、のちの供養に使われることも意識してサイズを選択することをおすすめします。

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