【例文つき】四十九日法要の挨拶のしかた!喪主・参列者それぞれの立場で解説

「四十九日法要で喪主として何を話せばいいのか分からない」
「参列者に失礼のない挨拶をしたい」
四十九日法要における喪主の挨拶には、参列者への感謝を伝える大切な役割があります。
相手に失礼なく気持ちを伝えるため、挨拶時のマナーを理解しておくのが大切です。
本記事では、四十九日法要の挨拶のマナーやタイミングを解説します。
四十九日法要を執り行う予定のある喪主の方、もしくは喪主から挨拶を依頼された方は、ぜひ参考にしてみてください。
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<この記事でわかること> ・四十九日法要を執り行う意味 ・四十九日法要で挨拶をするタイミング ・四十九日法要の挨拶のマナー ・場面別の挨拶の例文 |
四十九日法要は「忌明け」の節目となる大切な儀式

四十九日法要は、故人が亡くなってから49日目に営まれる仏教の儀式です。
仏教では、人が亡くなると7日ごとに合計7回、次に生まれ変わる先を決めるための裁きを受けるとされています。最後の7回目にあたるのが四十九日です。
この日には、残された遺族・親族・友人たちが集まり、故人がより良い先へ生まれ変われるようにお祈りをします。
遺族や親族にとっては、日常の生活へと戻る節目の「忌明け」となる大切な日でもあります。
四十九日法要の流れと挨拶タイミング

四十九日法要の一般的な流れは以下のとおりです。
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【一般的な四十九日法要の流れ】
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上記の流れのうち、喪主が挨拶するタイミングは、大きく分けて4つあります。
| タイミング | 挨拶の内容 |
|---|---|
| 法要の開始前 | 参列者へ出席への感謝を伝える |
| 法要の終了時 | 無事に法要が終わったことを報告し、改めて感謝を伝える |
| 会食の開始前 | 会食の始まりの挨拶と献杯の掛け声 |
| 会食の終了時 | お開きの挨拶 |
会食を行わない場合は、法要開始前後の挨拶のみとなります。
僧侶へのお礼の挨拶については、法要終了前後に別途行うのが一般的です。
四十九日法要の挨拶マナーと注意点

四十九日法要で挨拶をする際は、以下の点に配慮する必要があります。
- 参列者へ感謝を伝える
- 挨拶は5分以内に納める
- 忌み言葉や重ね言葉は使わない
- 「乾杯」ではなく「献杯」を行う
- 挨拶はメモを読みながらでも良い
挨拶のマナーと注意点を見ていきましょう。
参列者へ感謝を伝える
挨拶の初めに、故人のために足を運んでくださった参列者にお礼を伝えます。
併せて、故人の人柄がわかるようなエピソードを短く添えるのもよいでしょう。
なお、挨拶の中で故人の欠点に触れるのはマナー違反です。
たとえ親しい間柄であっても、故人の悪口や失敗談を笑い話として話すのは避けましょう。
また、故人の死因について詳しく話すことも控えるのが一般的です。
挨拶は5分以内に納める
四十九日法要の挨拶は、できれば2〜3分程度にし、長くても5分以内にまとめます。
厳密に決められているわけではありませんが、長い挨拶は参列者の負担となるため、簡潔に話すことを心がけましょう。
伝えたい内容をあらかじめ整理しておき、5分以内で伝えられるように準備しておくことをおすすめします。
忌み言葉や重ね言葉は使わない
弔事の場では、使用を避けるべき「忌み言葉」や「重ね言葉」があります。一例は以下のとおりです。
| 忌み言葉に該当する言葉 | |
|---|---|
| 重ね言葉(不幸が重なるイメージがある) | 重ね重ね・たびたび・またまた…など |
| 不幸の繰り返しを連想させる言葉 | また・何度も・次に…など |
| 不幸な出来事を連想させる言葉 | 終わる・落ちる・消える…など |
| 直接的な表現 | 死亡・急死・死ぬ…など |
上記の言葉を避けた挨拶文を心がけましょう。
「乾杯」ではなく「献杯」を行う
法要後の会食では、飲み物をいただく際に「乾杯」ではなく「献杯(けんぱい)」を行います。
「乾杯」はお祝いの席で使われる言葉のため、故人を偲ぶ四十九日法要の場では不適切です。
また、献杯の際は、グラスを高く掲げたり、拍手したりするのは避けてください。
静かにグラスを持ち上げて「献杯」と唱え、故人への追悼の意を込めて飲み物をいただきましょう。
このとき、一気に飲み干すのではなく、ゆっくりと口に含むのがマナーです。
挨拶はメモを読みながらでも良い
四十九日法要の挨拶では、メモや原稿を用意して、それを読みながら話しても失礼にはあたりません。
手元に視線を落として話してもマナー違反ではありませんので安心してください。
大切なのは、参列者や僧侶に心からの感謝の気持ちを伝えることです。
また、原稿を用意しておけば、伝えたい内容を漏らさずに落ち着いて話せるという安心感にもつながります。
【場面別】四十九日法要で喪主が行う挨拶の例文

喪主の挨拶が必要な5つの場面に分けて、例文を解説します。
- 四十九日法要を開始する際の挨拶
- 四十九日法要を終了する際の挨拶
- 四十九日法要後の会食前の挨拶
- 会食後のお開きの挨拶
- 僧侶へのお礼の挨拶
ひとつずつ見ていきましょう。
四十九日法要を開始する際の挨拶
法要を開始する前の挨拶では、以下の事柄を述べます。
- 参列への感謝
- 故人の名前
- 四十九日法要を始める旨
例文は、以下のとおりです。
| 【開始する際の挨拶文】
本日はお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。 これより、妻○○(故人の名前)の四十九日法要を始めさせていただきたいと存じます。 それではご住職、よろしくお願いいたします。 |
挨拶後は、参列者と僧侶それぞれに一礼をします。
余裕があれば、僧侶の紹介や故人の思い出を短く添えてもよいでしょう。
四十九日法要を終了する際の挨拶
四十九日法要が終了した際には、以下の内容を含めた挨拶を行います。
- 参列へのお礼
- 遺族のこれまでの様子
- 会食の案内
会食がない場合は、お開きとさせていただく旨を伝えます。
| 【会食がある場合の挨拶文】
本日はお忙しいなか、妻○○(故人の名前)の四十九日法要にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。 (遺族のこれまでの様子を伝える) つきましては、ささやかではございますが、忌明けの粗宴を用意させていただきました。 どうぞごゆっくりお過ごしください。本日は、本当にありがとうございました。 |
| 【会食がない場合の挨拶文】
本日はお忙しいなか、妻○○(故人の名前)の四十九日法要にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。 (遺族のこれまでの様子を伝える) 皆様と共に粗宴を囲みたいところではございますが、これにてお開きとしたいと思います。 また、心ばかりの品を用意させていただきました。お帰りの際にお持ち帰りください。 本日は誠にありがとうございました。 |
なお、四十九日法要と併せて納骨法要も執り行う場合は、その案内をする必要があります。
内容としては「この後は納骨法要を執り行う予定です。引き続きお付き合いいただければと思います」などで問題はありません。
四十九日法要後の会食前の挨拶
会食が始まる前には、改めて参列への感謝を伝えます。
また、喪主が献杯の挨拶もする場合は、会食前の挨拶に続いて掛け声も行います。
| 【会食前の挨拶文】
本日はお忙しいなか、妻の四十九日法要にお越しいただき、ありがとうございました。 ささやかではございますが、お食事の席を用意いたしました。故人を偲びながら、ゆっくりお過ごしください。 本日はご参列いただき、誠にありがとうございました。 |
| 【献杯の挨拶文】
それでは皆様、お手元のグラスをお取りください。 ご唱和をお願いいたします。献杯 |
献杯の挨拶は、親族や故人の親友など、別の方に依頼しても問題ありません。
依頼する場合は、献杯の挨拶をお願いする旨をあらかじめ伝えておきましょう。
献杯を依頼された際の挨拶の仕方は、本記事の「参列者が喪主(遺族)に挨拶をする場合」で解説しています。
会食後のお開きの挨拶
会食が終わる際には、参加してくれた方々へのお礼と、解散の案内を簡潔に伝えましょう。
挨拶後には、帰宅する参列者へ引き出物を渡します。
| 【会食後の挨拶文】
皆様、本日はご多用中にもかかわらず最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。 名残りはつきませんが、このあたりでそろそろお開きとさせていただきます。 ささやかではございますが、心ばかりのものを用意いたしておりますので、どうぞお受け取りください。 本日は誠にありがとうございました。 |
僧侶へのお礼の挨拶
僧侶への挨拶は、法要の前後どちらかで行います。お布施を渡す際に一言添えるのが基本です。
僧侶への挨拶をする際は、メモを見るのは避け、口頭で簡潔に感謝の気持ちをお伝えしましょう。
| 【法要前の場合の挨拶文】
本日はお忙しいなか、お越しいただきましてありがとうございます。 この度の四十九日法要、何卒よろしくお願いいたします。 こちら、どうぞお納めください。(お布施を差し出す) |
| 【法要後の場合の挨拶文】
この度はお越しいただきましてありがとうございました。 おかげさまで、妻の四十九日法要を滞りなく終えることができました。 お布施でございます。どうぞお納めください。(お布施を差し出す) |
お布施を渡す際は切手盆に乗せ、僧侶側から文字が読める向きで渡します。
参列者側の挨拶マナー

四十九日法要では、喪主だけでなく参列者も挨拶の仕方に配慮する必要があります。
- 参列者が喪主(遺族)に挨拶をする場合
- 参列者代表として献杯の挨拶を任された場合
四十九日法要にふさわしい言葉遣いを心がけ、遺族や故人へ失礼のないようにしましょう。
参列者が喪主(遺族)に挨拶をする場合
四十九日法要に参列した際は、まず喪主や遺族に対して挨拶を行いましょう。
長々とした挨拶は不要で、簡潔な内容で問題ありません。
| 【喪主への挨拶文】
「本日はお招きいただきありがとうございます」 「ご案内いただき恐れ入ります」 |
参列者代表として献杯の挨拶を任された場合
参列者代表として献杯の挨拶を任された場合は、簡単に献杯の掛け声を言うだけで問題ありません。
故人と親しい間柄であった場合は、思い出話などを含めるのもよいでしょう。
挨拶は1〜2分程度にまとめ、最後に「献杯」と掛け声をして、静かに盃を掲げましょう。
| 【献杯を任された際の挨拶文】
ご紹介いただきました○○(自分の名前)でございます。 僭越ながら献杯の挨拶をさせていただきます。 それでは献杯を捧げたいと思います。献杯。 |
【Q&A】四十九日法要の挨拶に関してよくある質問

四十九日法要に関してよくある質問をまとめました。
| Q.家族だけで四十九日法要を行う場合、挨拶は必要ですか?
Q.僧侶に挨拶するタイミングを逃した場合は、どうすればいいですか? Q.喪主の代わりに挨拶をすることになりました。気をつけることはありますか? |
ひとつずつ回答します。
Q.家族だけで四十九日法要を行う場合、挨拶は必要ですか?
A.家族だけの場合でも、挨拶はしたほうがよいでしょう。
ただし、堅苦しい挨拶でなくてもよく「今日は集まってくれてありがとう」と感謝を伝えるだけでも問題ありません。
Q.僧侶に挨拶するタイミングを逃した場合は、どうすればいいですか?
A.法要後にお寺へ直接伺ってお礼の挨拶をする方法があります。
四十九日法要では、喪主が忙しく動かなければならない場面が多いため、僧侶への挨拶が抜けてしまう場合があります。
挨拶ができないとお布施も渡せないため、後日改めてお寺へ伺い、お布施をお渡しするとともに感謝を伝えましょう。
Q.喪主の代わりに挨拶をすることになりました。気をつけることはありますか?
A.喪主が挨拶するときと同じ事柄に気をつければ問題ありません。
喪主が高齢であったり、体調がすぐれなかったりした場合、親族や友人が代わりに挨拶する場合があります。
喪主の代わりを務める際は、挨拶前に「故人との関係性」と「自分の名前」を伝えます。
例えば「故人の妹で北海花子と申します。親族を代表いたしまして、ひと言ご挨拶申し上げます。」のような形です。
まとめ:四十九日法要の挨拶で参列への感謝を伝えましょう

四十九日法要の挨拶は、参列者への感謝を伝える大切な機会です。挨拶は簡潔にまとめ、長くても5分以内にとどめましょう。
無理に完璧な言葉を探さず、メモを読みながらでも丁寧に伝える姿勢があれば、十分に気持ちは届きます。
本記事で紹介したマナーや例文を参考に、心のこもった挨拶で参列への感謝を伝えましょう。
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