「身内だけの四十九日法要では、どこまで正式な服装が必要？」
「他の参列者やお寺さんに常識がないと思われないようにしたい」

身内のみの少人数で行う四十九日法要でも、最低限のマナーを守るのが大切です。

「身内だからカジュアルでいいだろう」と判断すると、他の参列者に不快な思いをさせてしまう可能性があります。

本記事では、男女別・子ども・妊婦さんの服装マナーや季節ごとの注意点、身内だけの法要で平服が許されるケースを解説します。

服装に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

＜この記事でわかること＞ ・身内のみの四十九日法要にふさわしい服装 ・平服での参列が許されるケース ・男女別・子ども・妊婦さんの服装のマナー ・身内のみの四十九日法要で気をつけたいポイント

 

身内だけの四十九日法要でも喪服は必要？

四十九日法要は、故人にとっても遺族にとっても節目となる大切な儀式です。

身内だけで行う場合でも、一定のマナーが求められます。

本章では、準喪服を基本とする考え方や、平服でも許容されるケースを解説します。

• 一般的な四十九日と同じく準喪服の着用が基本
• 身内だけなら平服でもよいケースもある

参列前に確認しておきましょう。

 

一般的な四十九日と同じく準喪服の着用が基本

基本的には、身内だけの法要であっても「準喪服」を着用するのが一般的です。

準喪服とは、葬儀で喪家が着用する正喪服よりひとつ格が下の喪服を指します。

私服の着用が故人の希望であった場合を除き、準喪服を着用しましょう。

特に僧侶を招く場合は、読経などの宗教的な儀式が行われるため、格式を保つ意味でも準喪服を着用するのが無難です。

ただし、体調に不安がある場合は健康を第一に考え、ゆとりのある服装でも構いません。

 

身内だけなら平服でもよいケースもある

家族だけで自宅などに集まり、僧侶を招かず合掌のみで行う四十九日法要の場合は、平服でも問題ないとされるケースがあります。

また、故人が生前に「普段通りに送り出してほしい」と希望していた場合、意向に沿うかたちで私服を選ぶ家族もいます。

ただし、どのような意向があったとしても、華美な色や装飾は避け、落ち着いた服装を心がけましょう。

 

【男性】身内だけの四十九日法要の服装マナー

男性の場合は、以下のマナーに配慮しましょう。

• 黒無地のスーツに白シャツ＋黒ネクタイが基本
• 靴・靴下は黒無地で光沢のないものを選ぶ
• 時計やカバンなど小物・アクセサリーは控えめにする
• 髪型は清潔感を意識して派手なセットは控える

小規模の法要であっても、最低限のマナーは必要です。

黒無地のスーツに白シャツ＋黒ネクタイが基本

男性の服装は、黒無地のスーツに白いワイシャツ、黒の無地ネクタイを合わせた準喪服スタイルが基本です。

リクルートスーツやビジネススーツは、近い見た目でも礼服には該当しないため避けましょう。

シャツはボタンダウンではなく、レギュラーカラーを選びます。

また、スーツのボタンやポケットの装飾も、できるだけ控えめなものが望まれます。

 

靴・靴下は黒無地で光沢のないものを選ぶ

足元への配慮も大切です。革靴は黒のプレーントゥなど、装飾のないシンプルなデザインを選びましょう。

光沢のあるエナメル素材や、カジュアルな印象を与えるローファーなどは、四十九日法要にふさわしくないため避けましょう。

靴下も黒の無地が基本で、柄やワンポイントがあるものは控えるようにしてください。

 

時計やカバンなど小物・アクセサリーは控えめにする

腕時計・ベルト・カバンなどの小物類も、主張しすぎないデザインが望ましいです。

時計は基本的に外しますが、装着する場合は派手な文字盤や金属バンドを避けましょう。黒や銀のシンプルなものが好ましいです。

ベルトは、黒無地でツヤを抑えた革製品が適しています。

男性の場合、カバンは不要ですが、持つ場合は黒無地で光沢のないものを選びましょう。

ブランドロゴが目立つものやカジュアルな布製バッグは避けたほうが無難です。

 

髪型は清潔感を意識して派手なセットは控える

髪型は「清潔感」を第一に考えましょう。

整髪料を多く使ったスタイリングや、派手なセットは避け、自然で落ち着いた印象を心がけます。

明るすぎるヘアカラーも四十九日法要の場にはふさわしくありません。

可能であればスプレーで一時的に黒に染め直すのが望ましいです。

身内だけの場でも、故人への敬意を忘れないような髪型に整えておきましょう。

 

【女性】身内だけの四十九日法要の服装マナー

女性の場合は、以下のマナーに配慮しましょう。

• 黒のワンピースやスーツが基本
• 髪型はヘアピンやゴムでまとめる
• アクセサリーは結婚指輪程度にとどめる
• メイクや香水は控えめにする
• 妊娠中は落ち着いた色であれば楽な服装でよい

髪型・メイク・妊娠中の配慮なども含め、女性に求められる服装マナーを解説します。

 

黒のワンピースやスーツが基本

女性の服装では、黒の無地で光沢のないワンピースまたはスーツが一般的です。

スカート丈は膝下からふくらはぎ程度、袖丈は七分袖〜長袖を選ぶと上品な印象になります。

パンツスーツもマナー違反ではありませんが、スカートスタイルのほうが選ばれる傾向にあります。

バッグはツヤのない黒無地のフォーマルバッグが適切で、ブランドロゴが目立つものや革製の高級バッグは控えるのが無難です。

平服の場合は、濃紺やチャコールグレーなどダークカラーのシンプルな服装を選びましょう。

 

髪型はヘアピンやゴムでまとめる

髪型はまとめ髪が基本です。肩より長い髪は後ろで一つにまとめ、華美なヘアアクセサリーは避けます。

ヘアピンやヘアゴムも黒や茶など目立たない色を選び、なるべく飾りが付いていないものにしましょう。

ショートヘアの場合でも、顔周りはピンで整え、お辞儀をした際に顔にかからないよう意識するのが大切です。

派手なカラーの場合は、スプレーで1日だけ黒く染めるなどの配慮を心がけましょう。

 

アクセサリーは結婚指輪程度にとどめる

アクセサリー類は極力控えるのがマナーです。

結婚指輪はつけたままで問題ありませんが、それ以外のジュエリーは原則として外します。

ネックレスを身につける場合は、一連の白いパールに限られます。

二連のネックレスは「不幸が重なる」とされるため、弔事の場では身につけないのがマナーです。

また、ゴールド系・カラーストーン・揺れるデザインのネックレスも避けましょう。

 

メイクや香水は控えめにする

メイクはナチュラルに仕上げるのが基本です。

濃いアイメイクやリップカラーは避け、ブラウン系のアイシャドウや、淡い色の口紅で清楚な印象を与えるよう意識しましょう。

香水は控え、制汗剤は無香のものにとどめるのが望ましいです。

ネイルカラーは、クリアやベージュであれば問題ありません。派手な色の場合は、落としてから参列しましょう。

ジェルネイルをしていて落とせない場合は、上からヌーディーカラーのマニキュアを重ねるなどの対策をおすすめします。

 

妊娠中は落ち着いた色であれば楽な服装でよい

妊娠中の方は、身体への負担を最小限にする服装が最優先です。

黒・紺・グレーなど落ち着いた色合いで、ゆったりとしたシルエットのワンピースなどを選ぶとよいでしょう。

寒暖差への対策として、黒のストールや喪服のジャケットを羽織るのもおすすめです。

足元は黒のマタニティ用ストッキングに歩きやすい黒のフラットシューズを合わせると、よりきちんとした印象になります。

 

【子ども】身内だけの四十九日法要の服装マナー

子どもの場合は、以下の基準を参考に、落ち着いた装いを心がけるのが大切です。

• 制服がある子どもは制服で参列する
• 制服がない場合は地味な色の服装を選ぶ
• 乳幼児は派手でなければ普段着でも問題ない

なお、大学生の場合は大人と同じ基準で、準喪服を着用しましょう。

 

制服がある子どもは制服で参列する

中学生や高校生など、制服がある年齢の子どもについては、制服で参列します。

制服は「礼服」として扱われるため、特別な喪服を用意する必要はありません。

制服やネクタイのカラーが赤や緑などの明るい色でも、問題ないとされています。

ただし、気になる場合は、できる範囲で落ち着いたものに変えるなどしても構いません。

 

制服がない場合は黒・紺・グレーなど地味な色の服装を選ぶ

制服のない子どもの場合、黒・紺・グレーなど、落ち着いた色合いの服を選びましょう。

シンプルなシャツとジャケット、長ズボンやスカートといった装いであれば十分です。

派手なロゴや柄のある服、カラフルなアクセントが目立つものは避けましょう。

足元は、黒いローファーがあれば理想的ですが、なければシンプルなスニーカーでも構いません。

清潔感があり、派手すぎないデザインであれば問題ありませんが、汚れた靴やサンダルなどは控えましょう。

 

乳幼児は派手でなければ普段着でも問題ない

乳児や幼児など年齢の低い子どもの場合、喪服のような格式ばった装いは求められません。

落ち着いた色合いの普段着であれば十分です。

グレーやネイビーのカーディガンやワンピース、白や黒のトップスといった服装であれば、まったく失礼にはなりません。

大切なのは、子ども本人が快適に過ごせることと、法要という場の雰囲気を乱さないことです。

なお、泣いたり法要に飽きてしまったりといった場合に備えて、お気に入りのおもちゃやお菓子などを持参するのも、周囲への配慮につながります。

 

【季節別】身内だけの四十九日法要での服装ポイント

法要は季節を問わず行われるため、気候に応じた服装選びも大切なポイントです。

身内だけで四十九日法要を執り行う場合でも、暑さ寒さへの配慮をしつつ、場にふさわしい身だしなみを心がけましょう。

• 夏の四十九日法要：肌の露出を控えつつ暑さ対策を工夫する
• 冬の四十九日法要：コート等で防寒しつつ室内では脱ぐ

本章では、夏と冬それぞれの季節に応じた服装のポイントをご紹介します。

 

夏の四十九日法要：肌の露出を控えつつ暑さ対策を工夫する

夏場の法要であっても、肌の露出を控えるのが基本マナーです。

サイトによっては「半袖でも可」と紹介していますが、可能であれば七分丈のほうが礼儀を重んじた装いになります。

通気性のよい素材を使ったスーツなどを選ぶと、暑さ対策をしながらも礼を失わずに済みます。

夏場はできるだけ涼しい服装で参列したいところですが、礼儀は大切にしましょう。

 

冬の四十九日法要：コート等で防寒しつつ室内では脱ぐ

冬の法要の場合、会場に着くまでは、コート・マフラー・手袋などを身につけても問題ありません。

ただし、室内では防寒着・防寒具を脱ぐのがマナーです。

法要の会場に入ったら、コートは脱いで腕に掛けるか、指定された場所に置きましょう。

足元はブーツでも構いませんが、革靴を持参し、会場で履き替える配慮が必要です。

なお、防寒着や防寒具はダークカラーを選ぶのがマナーとされています。

 

四十九日法要当日の着替えのタイミング

四十九日法要で準喪服に着替えるタイミングは、主に2つあります。

• 法要前に自宅または会場で着替える
• 移動距離が長い場合は現地で着替えても問題なし

本章では、当日の着替えのタイミングや注意点について解説します。

 

法要前に自宅または会場で着替える

葬儀場や寺院が自宅から近い場合は、あらかじめ喪服を着用して出発するのが一般的です。

一方、公共交通機関を利用する場合や、喪服での移動に抵抗がある場合は私服で出発し、会場またはその近くで着替える方法もあります。

葬儀会場によっては更衣室が設けられているところもありますが、参列者が自由に使えるかどうかは事前の確認が必要です。

自宅で法要を行う場合は、着替え専用の部屋を使えるか確認しておきましょう。

 

移動距離が長い場合は現地で着替えても問題なし

遠方から参列する場合や、宿泊を伴うケースでは、普段着で移動して現地で喪服に着替えるのが一般的です。

直前に着替えることで、長時間の移動によるシワや汚れを防ぎ、きちんとした身だしなみで法要に参列できます。

喪服を持参する際は、ガーメントケースを使うとシワになりにくく安心です。

黒ネクタイや白シャツなどの小物も忘れがちなので、事前にチェックリストを作って準備しておくとよいでしょう。

 

身内だけの四十九日法要で気をつけたいその他のマナー

身内のみで行う四十九日法要であっても、最低限のマナーを押さえておくのが大切です。

• 香典は身内だけでも用意する
• 数珠・袱紗・ハンカチなどを用意する
• お供え物は家族で相談して準備する

香典・持ち物・お供え物などに関する基本的なマナーについて確認しておきましょう。

 

香典は身内だけでも用意する

どのような規模の四十九日法要であっても、香典を持参するのがマナーです。

以下の表を参考に、香典を用意しましょう。

水引の色	・黒白 ・双銀（50,000円以上の場合）
水引の結び方	・結び切り ・あわじ結び
表書き	・御香典 ・御仏前
金額	・会食あり：1〜3万円 ・会食なし：2〜5万円

ただし、遺族側から香典辞退の案内があった場合は、意向を尊重して持参しないのがマナーです。

【関連記事】 【法事・法要】香典の金額は？関係性・回忌別の相場やマナーを徹底解説！

 

数珠・袱紗・ハンカチなどを用意する

法要に参列する際には、必ず数珠を持参します。数珠の種類は、自身の宗派のもので問題ありません。

袱紗は香典を包むために用意します。不祝儀袋を裸で持ち歩くのは失礼に当たるため、必ず用意します。

ハンカチは、黒や白などシンプルなものを用意しましょう。手を洗う時や涙をぬぐう時に備えておくと安心です。

お供え物は家族で相談して準備する

四十九日法要でお供えを用意するかは、地域の慣習・親族同士の慣習・故人や遺族との関係性によって異なります。

そのため、持っていくかは家族間で相談して決めましょう。

持参する場合は、菓子折りや果物など、消費したら消えてなくなる「消えもの」を選ぶのが基本です。故人の好物を用意する場合もあります。

【関連記事】 法事・法要のお供えで恥をかかない！おすすめの品・金額相場・マナーを解説

 

四十九日法要で失礼のない立ち居振る舞い

身内だけの四十九日法要でも、故人へ敬意をはらった立ち居振る舞いが求められます。

• 焼香・合掌の作法
• 会食時のふるまい

それぞれの基本的なマナーを確認しておきましょう。

 

焼香・合掌の作法

焼香の作法は、葬儀のときと変わりありません。

宗派によって回数や手順が異なりますが、基本的には落ち着いた動作を心がけるのが大切です。

不安がある場合は、他の参列者の動作を見て、流れを把握しておくことをおすすめします。

合掌する際は、胸の前で手を合わせ、目を閉じて軽く頭を下げます。

 

【関連記事】 家族葬における焼香のやり方やマナーを解説｜焼香だけの参列についても説明

 

会食時のふるまい

四十九日法要のあとには「お斎」と呼ばれる会食が設けられる場合があります。故人を偲びながら、身内同士が語らう場です。

和やかな雰囲気になることもありますが、あくまで弔いの場であることを忘れず、節度を持った会話や振る舞いを心がけましょう。

大声で笑ったり、私的な話題に偏ったりしないよう注意が必要です。お酒が出された場合は飲みすぎないよう節度を保ちましょう。

なお、身内だけの四十九日法要の場合は、会食を省略するケースもあります。

 

身内だけの四十九日法要の当日の流れ

身内だけでも、一般的な四十九日法要の流れと変わりありません。

以下の流れで進行していきます。（※地域や宗派によって、多少異なる場合があります）

集合	会場や自宅などに親族が集まる
読経	僧侶による読経
焼香	読経中に参列者で焼香を行う
法話	僧侶による法話
会食	場所を移して会食
解散	全体行事のお開き

四十九日法要に合わせて納骨する場合は、会食の前に墓地へ移動し、納骨法要を執り行うケースが一般的です。

 

【Q&A】身内のみの四十九日法要に関してよくある質問

四十九日法要に関してよくある質問をまとめました。

Q.四十九日法要はお寺と自宅で服装は違う？ Q.家族のみの四十九日法要でも案内状は必要？

ひとつずつ回答します。

 

Q.四十九日法要はお寺と自宅で服装は違う？

A.お寺でも自宅でも服装のマナーに大きな違いはありません。

どの場所であっても、準喪服を基本とし、落ち着いた服装を心がけましょう。

ただし、自宅で親族のみが集まる気軽な形式の場合は、事前に家族間で話し合い、普段着で集まるケースもあります。

 

Q.家族のみの四十九日法要でも案内状は必要？

A.案内状を送付するのが丁寧な対応です。

ただし、状況に応じて口頭・電話・メール（SNSを含む）で連絡しても問題はありません。

【関連記事】 家族のみで行う四十九日法要の案内状｜例文と基本マナーを解説

 

まとめ：身内だけの四十九日法要でも失礼のない服装を心掛けよう

身内だけで執り行う四十九日法要であっても、服装への配慮は大切です。

準喪服を基本としつつ、場の雰囲気や家族の意向に応じて、柔軟に対応しましょう。

マナーを事前に確認し、丁寧な気持ちで故人をお見送りできるよう、準備しておくのが大切です。

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