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葬儀と友引の関係とは?避けるべき理由や日程の決め方を解説

「友引の日は葬儀を避けたほうがいいと言われているのはなぜ?」
「そもそも、友引と仏教にはどんな関係があるの?」

 

昔から、友引に葬儀を執り行うべきではないといわれてきました。

 

現代でも、友引を避けて葬儀を執り行うケースは多く見られます。

 

本記事では、友引に葬儀を避けるべきと言われている理由・仏教との関係性・葬儀の日程の決め方などを解説します。

 

<この記事でわかること>

・六曜や友引の意味

・葬儀で友引を避ける理由

・葬儀を友引に執り行うケース

・葬儀の日程の決め方

・友引以外で気にするべきポイント

 

そもそも「友引」とは?

友引とは

友引は「六曜(ろくよう)」と呼ばれる暦注(※)のひとつで、中国から伝来したものです。

 

鎌倉時代に日本へ入り、江戸時代には庶民の間にも広まりました。

 

六曜のひとつである「友引」は、本来は勝負がつかない「共引き」を意味し、吉凶を占う考え方に基づいています。

 

宗教とは関係がなく、あくまで暦の上での意味です。

 

(※)暦注(れきちゅう)とは

その日の吉凶・運勢・方位・年中行事などに関連する説明を指します。
六曜のほかにも、干支・十二直・二十八宿・二十四節気などが暦注に該当します。

 

友引と葬儀の日程の関係性

友引と葬儀の日程の関係性

先述のとおり、「友引」とは、もともと勝負がつかない「共引き」を意味する日です。

 

しかし「友を引く(故人が友人を道連れにあの世へ連れて行く)」と読めるため、葬儀の日取りとして縁起が悪いとし、避けられる傾向があります。

 

また、火葬場の多くが友引を休業日にしているため、実務上も葬儀を行いにくい日です。

 

本章では、友引と葬儀に関する以下の点を解説します。

 

  • 友引にお通夜をするのは問題ない
  • 友引に葬儀をするのは避けたほうが無難
  • 休業日の火葬場が多いため葬儀ができない場合もある

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

友引にお通夜をするのは問題ない

お通夜の場合、友引に関係なく日程を設定しても問題ありません。

 

お通夜とは、故人のそばで静かに過ごすための儀式です。

 

もともとは夜通し故人を見守るものでしたが、現代では親しい人たちが集まり、思い出を語り合う場としての意味合いが強くなっています。

 

「友を道連れにする」との考えは葬儀に向けられるもので、お通夜には当てはまりません。

 

そのため、友引の日にお通夜を執り行っても支障はありません。

 

ただし、親族のなかに友引を気にする人がいれば、配慮が必要な場合もあります。

 

また、友引翌日の火葬は混み合いやすく、日程面で調整が必要になるケースもあります。

 

友引に葬儀をするのは避けたほうが無難

友引に葬儀を執り行うのは、仏教の考え方として問題はありませんが、避けたほうが無難です。

 

葬儀の日程が友引に重なると、参列者に「友を道連れにする」との印象を与える可能性があるためです。

 

故人とお別れする儀式である葬儀の場合、縁起が悪い日を避けたい気持ちから、友引を選ばない家庭も多くあります。

 

ただし、関西の一部地域では「友引人形」と呼ばれる人形を棺に入れることで、友引でも葬儀を執り行える風習があります。

 

友引人形には、友人の代わりにあの世へ向かうという意味があり、地域によってこけしやぬいぐるみ、木彫りなどのが用いられています。

 

休業日の火葬場が多いため葬儀ができない場合もある

友引を休業日としている火葬場が多いため、そもそも葬儀を実施できないケースも多く見られます。

 

友引を休業としている火葬場が多い理由は「友を引く」という縁起を避けたい家庭が多く、火葬の需要が少ないためです。

 

火葬ができなければ、告別式・葬儀そのものを執り行えません。

 

たとえば札幌市の場合、友引と1月1日が火葬場の休業日とされています。

 

そのため、縁起の良し悪しに関係なく、実務的に友引の日には葬儀を執り行えません。

 

参考:札幌市公式ホームページ「札幌市の斎場

 

友引でも葬儀を執り行うケースはある

友引でも葬儀を執り行うケースはある

友引の日の葬儀は避けられる傾向にありますが、すべての地域で実施できないとは限りません。

 

たとえば、函館市では友引の日でも火葬場を利用できるため、葬儀が可能です。

 

また、旭川市では原則休業日とされていますが、事前に申し込みをすれば開場されるケースもあります。

 

上記のように、友引でも葬儀を執り行える地域は存在しています。

 

ほかにも、縁起の良し悪しにとらわれず、予定が空いているタイミングで六曜を気にせず日程を決める家族も増えています。

 

札幌市でも、以前、一時的に友引の日に火葬場を稼働させていた時期がありました。

 

その際は、意外にも多くの利用があったと報告されています。

 

ただし、家族や親族の中には友引を避けたいと考える人もいるため、実施前に意向を確認しておくのが大切です。

 

日程調整が可能であれば、縁起を気にする親族へ配慮したほうが、無用な心配や誤解を防げます。

 

参考:
函館市公式ホームページ「斎場
旭川市公式ホームページ「友引日の臨時開業

 

逝去から葬儀終了までのスケジュール

逝去から葬儀終了までのスケジュール

葬儀の日程に明確な決まりはありませんが、逝去から3〜5日以内に通夜・告別式・火葬までが終わる流れが一般的です。

 

逝去から葬儀終了までの一般的なスケジュール
1日目 逝去
2日目 通夜
3日目

葬儀・告別式
火葬

 

ただし、実際の日程は、逝去の時刻や火葬場の空き状況などにより前後する場合があります。

 

たとえば、深夜に亡くなった場合は、通夜や葬儀が1日ずつ遅れるケースもあります。

 

また、火葬予定日が友引に当たると、火葬場が休業している地域では日程をずらさなければなりません。

 

六曜を気にする親族がいる場合も、調整が求められる場合もあります。

 

日程を決める際は、葬儀社と相談しながら進めるのが基本です。

 

葬儀社は火葬場や斎場の予約状況を把握しており、最適な日程の提案が可能なためです。

 

【関連記事】
葬儀とお通夜の日程を決めるコツ!お葬式や法要の日程を決定する手順
家族葬に必要な日数は?亡くなってから葬儀までの日程や事前に準備しておくポイントを解説

 

【2025年・2026年】葬儀を避けるべき友引の日一覧

【2025年・2026年】葬儀を避けるべき友引の日一覧

以下の表は、2025年と2026年のうち、葬儀を避けたほうがよい友引の日の一覧です。

 

日程調整を進める際の参考にしてみてください。

 

2025年(令和5年)の友引の日カレンダー
年月 友引の日
2025年1月 2日・8日・14日・20日・26日・30日
2025年2月 5日・11日・17日・23日・28日
2025年3月 6日・12日・18日・24日
2025年4月 3日・9日・15日・21日・27日
2025年5月 2日・8日・14日・20日・26日・30日
2025年6月 5日・11日・17日・23日・27日
2025年7月 3日・9日・15日・21日・27日
2025年8月 2日・8日・14日・20日・24日・30日
2025年9月 5日・11日・17日・22日・28日
2025年10月 4日・10日・16日・26日
2025年11月 1日・7日・13日・19日・24日・30日
2025年12月 6日・12日・18日・23日・29日

 

2026年の友引の日カレンダー
年月 友引の日
2025年1月 4日・10日・16日・21日・27日
2025年2月 2日・8日・14日・18日・24日
2025年3月 2日・8日・14日・19日・25日・31日
2025年4月 6日・12日・22日・28日
2025年5月 4日・10日・16日・21日・27日
2025年6月 2日・8日・14日・18日・24日・30日
2025年7月 6日・12日・16日・22日・28日
2025年8月 3日・9日・14日・20日・26日
2025年9月 1日・7日・11日・17日・23日・29日
2025年10月 5日・16日・22日・28日
2025年11月 3日・13日・19日・25日
2025年12月 1日・7日・12日・18日・24日・30日

 

六曜は毎年ずれるため、葬儀の日程を決めるときは最新のカレンダーを確認しましょう。

 

また、火葬場の営業日も地域ごとに異なるため、葬儀社と相談しながら日程を決めるのがおすすめです。

 

友引以外で配慮するべき事項

友引以外で配慮するべき事項

葬儀の日程を決める際は、友引の日だけでなく、以下の点にも配慮が必要です。

 

  • 僧侶の日程
  • 参列者の日程
  • 地域の慣習

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

僧侶の日程

仏教の葬儀では、僧侶による読経が欠かせません。

 

そのため、菩提寺がある場合は、早めに僧侶へ連絡をとるのが大切です。

 

とくに予定が立て込んでいるお盆時期などは、希望する日時に対応してもらえない場合があります。

 

どうしても日程調整が難しい場合は、ほかの僧侶を紹介してもらう方法もありますが、必ず菩提寺に相談してから進めてください。

 

無断でほかの僧侶に依頼した場合、その後の供養に関してトラブルに発展する可能性もあるためです。

 

なお『コープの家族葬』では僧侶の紹介にも対応しています。詳細は、コープの菩提寺紹介サービスをご確認ください。

 

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参列者の日程

参列者が集まりやすい日程を選ぶのも大切です。

 

とくに遠方から訪れる親族がいる場合は、移動や宿泊の準備が必要になります。

 

ほかにも、平日や仕事の都合がある人への配慮として、休日を含めた余裕のある日程調整が必要です。

 

友引と重なる日を避けるだけでなく、参列しやすい日かどうかを意識して決めるようにしましょう。

 

地域の慣習

地域特有の慣習にしたがって日程を調整するのも大切です。

 

仏教の葬儀では、地域によって進め方や日程に関する独自の慣習があります。

 

たとえば、亡くなった当日にお通夜を行う地域や、北海道や東北地方の一部では火葬後に「骨葬」を行う風習も残っています。

 

地域の事情については、葬儀社や地域に住む親族に聞いて確認しておくのが大切です。

 

【関連記事】
北海道の葬儀はココが違う|地域特有の慣習を解説【2024年最新版】

 

友引を含めた六曜の考え方について

友引を含めた六曜の考え方について

六曜は、冠婚葬祭の日程を考える際に参考にされる暦注のひとつです。

 

本章では、友引を含めた六曜と葬儀の関係性について解説します。

 

六曜 意味
友引 「勝負がつかない日」とされる日

葬儀には不向きと考えられている

お通夜を執り行うのは問題ない

昼の時間帯が凶、朝や夕方は吉とされている

先勝 急ぎの行動に向いている日

午前中が吉で、午後は凶

先負 穏やかに過ごすのがよいとされている日

午前が凶、午後が吉

仏滅 六曜のなかでもっとも縁起が悪い日

終日凶日とされている

結婚式などの祝い事には不向き

葬儀や法事は執り行っても問題はない

大安 すべての事柄において吉とされる日

結婚式などのお祝い事に最適

葬儀の日取りとしても問題はない

赤口 火や刃物に注意すべき日

一般的には凶日だが、「丑の刻(午前1時ごろから午前3時ごろ)」だけは吉とされる

葬儀などの仏事を執り行うのは問題ない

 

まれに「仏滅に葬儀をするのは避けるべき」と考える方もいらっしゃいますが、実際には気にする必要はありません。

 

仏滅は、もともと「物滅(ぶつめつ)」を意味し「仏」とはまったく関係がないためです。

 

【Q&A】葬儀の日程に関してよくある質問

【Q&A】葬儀の日程に関してよくある質問

葬儀の日程と六曜の関係についてよくある質問をまとめました。

 

Q.家族葬の場合も友引を気にしたほうがいいですか?

Q.神道の葬儀でも友引は避けたほうがいいですか?

Q.キリスト教の葬儀でも友引を避けたほうがいいですか?

 

ひとつずつ回答します。

 

Q.家族葬の場合も友引を気にしたほうがいいですか?

A.家族葬であっても、友引を気にする必要はありません。

 

もともと六曜は仏教とは関係がなく、迷信に近い考えであるためです。

 

とくに近年では、形式にとらわれない家族葬や火葬式を選ぶ人が増えており、友引に火葬を行う例も少しずつ増加しています。

 

ただし、火葬場の休業日が友引に設定されている地域もあるため、実務上難しい場合もあります。

 

Q.神道の葬儀でも友引は避けたほうがいいですか?

A.神道の葬儀を友引の日に執り行っても問題ありません。

 

神道と六曜に関係性がないためです。

 

ただし、古くからの慣習に配慮して、友引を避ける家庭も存在します。

 

また、神道では仏滅に神社へ参拝するのを避け、祭礼を大安に行う傾向があります。

 

地域や親族の意向もふまえたうえで、日程を決めるのがおすすめです。

 

Q.キリスト教の葬儀でも友引を避けたほうがいいですか?

A.キリスト教と六曜は無関係のため、基本的に友引を避ける必要はありません。

 

ただし、日本では火葬場が友引に休業する傾向があるため、その場合は別の日に調整する必要があります。

 

また、カトリックの一部教派では「聖土曜日」に葬儀を行わない決まりがあります。

 

葬儀の日程については、事前に教会や葬儀社に確認しておくとスムーズです。

 

まとめ:友引と葬儀の日程は関係がない

葬儀の日程を決める際、友引を気にする必要はありません。

 

そもそも友引は六曜のひとつで、仏教・神道・キリスト教などの宗教とは関係がないためです。

 

近年では葬儀の日程に対する考え方も変わってきており、実際に友引に葬儀や火葬を行う家庭も増えています。

 

ただし、火葬場が友引に休みとなる地域が多いため、営業日を考慮して友引に葬儀を執り行えないケースはあります。

 

葬儀の日は基本的に葬儀社と相談して決めるため、火葬場の営業日や地域の慣習に則った日程など相談して決めるのがおすすめです。

 

『コープの家族葬』では、長年の運営経験から北海道各地の慣習に則った日程決めや、葬儀内容の提供が可能です。

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