「一周忌法要って具体的に何をするの？」
「いつから準備を始めればいい？」
「そもそも、一周忌法要はする必要があるの？」
仏教では、故人のご冥福を祈る追善供養として、決められた年数ごとに法要を執り行います。
なかでも一周忌法要は、遺族の喪が明ける大切な節目です。
一周忌法要までは比較的大きな規模で執り行う傾向があるため、喪主の場合は早めに準備を始める必要があります。
本記事では、一周忌法要の意味・必要な費用・準備内容・当日の流れを解説します。
当日に滞りなく一周忌法要を終えるためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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＜この記事でわかること＞ ・一周忌法要を執り行う意味 ・一周忌法要に必要な費用 ・お声掛けする参列者の範囲 ・一周忌法要の会場の選び方 ・一周忌法要の準備内容 ・一周忌法要の当日の流れ |
一周忌法要とは？
故人が亡くなってから1年後の命日に行われる法要が一周忌法要です。
仏教では決められた周期で回忌法要を行いますが、なかでも一周忌法要は、喪主や遺族の喪が明ける大切な節目とされています。
基本は故人が亡くなってからちょうど1年後に執り行いますが、近年は参列者が集まりやすいよう、命日より前の土日に予定するケースが多く見られます。
法要を早めるのは問題ありませんが、後ろ倒しにしてはいけません。
なお、まれに「一周忌」を「一回忌」という方がいますが、同じものではありません。
「一周忌」は故人が亡くなってから1年後を指しますが、「一回忌」は故人が亡くなった当日（命日そのもの）を意味します。
法要の案内の際、言い方や表記を間違えないように気をつけましょう。
一周忌法要に必要な費用
一周忌法要を執り行うにあたって必要となる費用は、以下のとおりです。
|
項目 |
金額 |
|---|---|
|
お布施 |
4万円〜7万円 |
|
会場代 |
1万円〜15万円 |
|
供花・供物 |
5千円〜3万円 |
| 食事代 （お斎の費用） |
3千円〜1万円／1人あたり |
| 引き出物 |
2千円〜5千円／1人あたり |
| 合計 |
6万円〜26万5千円 |
※金額はあくまでも目安です。
それぞれの項目について見ていきましょう。
なお、上記の金額のほかにも、案内状のはがき代や、おりく膳の材料費など、細かな費用は別途発生します。
お布施：4万円〜7万円
一周忌法要のお布施の相場は、4万円〜7万円ほどとされています。
お布施とは、故人の供養として読経していただいた僧侶へのお礼としてお渡しする金銭です。
また、お布施に加えて、以下の金額も必要です。
| 項目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 御膳料 | 5千円〜1万円 | 僧侶への食事代として |
| 御車代 | 5千円〜1万円 | 僧侶への交通費として |
御膳料は、僧侶が法要後の食事（お斎）に参加しない場合にお渡しします。
御車代は僧侶の交通費として包む金銭です。喪主が送迎する場合は必要ありません。
上記の金額を合計すると、お布施として4〜7万円が必要です。包む際は、それぞれ別の封筒を用意します。
用意する封筒や、表書きの書き方は以下のとおりです。
| 封筒 | 白無地 |
|---|---|
| 水引 | なし |
| 表書き | 上部：お布施
下部：喪主の名前 |
| 中袋 | 表面：包んだ金額
裏面：喪主の住所と氏名 |
筆記用具は、筆ペンまたはサインペンを使用しましょう。
法要のお布施について詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
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会場代：1〜15万円
場所を借りて法要を執り行う場合は、会場代も必要です。相場は1〜15万円ほどで、会場によって変動します。
| 会場 | 相場 |
|---|---|
| 斎場・ホテル | 1万円〜15万円 |
| 寺院 | 無料、または3万円〜5万円 |
| 自宅 | 0円 |
斎場やホテルなどの施設を利用する場合は、料金形態によって費用が変動します。
時間貸しのような場合は、1時間あたり数千円から1万円程度のケースもあります。
お寺は一般的に、会場費が発生しない場合が多いようですが、お寺によっては使用料として3〜5万円ほどかかるところもあります。
供花・供物：5千円〜3万円
祭壇にお供えする供花や供物にも費用がかかります。
しかし、金額に明確な決まりはなく、各家庭によってさまざまです。
以下の金額が相場とされていますが、無理のない範囲で用意するのがおすすめです。
| 供花 | 3千円〜2万円 |
|---|---|
| 供物 | 2千円〜1万円 |
お寺で法要を執り行う際は、供花代が少し高くなる傾向にあります。
最低でも5千円ほど、高くて1万5千円ほどを想定しておくと安心です。
お寺の基準に沿って用意することもあるため、事前に確認しましょう。
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食事（お斎）：3千円〜1万円
法要後に食事（お斎）を行う場合は、料理の費用も必要です。
相場は1人あたり3千円〜5千円ほどで、料理の内容や会場によって多少変動します。
仕出し弁当であれば比較的費用を抑えられますが、料亭やホテルでグレードの高いコースを選べば、1万円を超える場合もあります。
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引き出物：2千円〜5千円
参列者へお渡しする引き出物の費用は、1人あたり2千円〜5千円が相場です。
品物には、使ったり食べたりするとなくなる「消えもの」が選ばれます。
定番の品は以下のとおりです。
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＜引き出物の定番商品＞ ・お茶や海苔 ・石鹸や洗剤 |
近年では、受け取った方が好きなものを選べるカタログギフトも増えています。
引き出物にかけるのし紙は、白黒の結び切りを選び、表書きは「志」または「粗供養」と記載します。
北海道では「志」とするのが一般的です。
一周忌法要にお呼びする参列者の範囲
一周忌法要にお呼びする参列者の範囲に、明確な決まりはありません。
傾向としては、親族だけでなく故人の友人や知人など、比較的広い範囲に声をかけるのが一般的です。
故人の交友関係がわからず、誰を呼ぶべきか迷う場合は、葬儀の参列者を参考にするのがおすすめです。
ただし、近年は家族や近しい親族のみで小規模に一周忌法要を執り行うケースも増えています。
近親者のみで執り行う主な理由は以下のとおりです。
- 親戚が遠方に住んでいる
- みんなが集まれる日程の調整が難しい
- 費用や労力の負担を軽減したい
一周忌法要の参列者は、それぞれの家族の考え方や状況によって決めるのがよいでしょう。
ただし、親族のなかには「一周忌は、広く声をかけるもの」という考え方を持つ方もいます。
そのため、家族のみで行う場合は、事前に伝えて理解を得ておくことが大切です。
家族のみで法要を執り行った後に、お呼びしなかった方へお礼状を送る場合もあります。
お礼状については、本記事の「家族だけで一周忌法要をした場合は「お礼状」を送る」を参考にしてみてください。
一周忌法要の会場
一周忌法要を執り行う会場には、一般的に4つの選択肢があります。
- 斎場
- ホテル
- お寺
- 自宅
それぞれの特徴を見ていきましょう。
斎場
斎場のメリットは、法要に必要な設備が整っており、会食の手配や引き出物、案内状の作成などを一括で依頼できる場合がある点です。
会場側がある程度手配を進めてくれるため、施主や遺族の負担を軽減することができます。
食事（お斎）についても、斎場で用意してもらえるケースがほとんどです。
ただし、自宅から遺影や位牌などを持参する必要があります。
ホテル
ホテルも一周忌法要の会場として利用できます。斎場と同じように、遺影や位牌の持参が必要です。
ホテルによって法要プランが用意されており、大人数にも対応できるメリットがあります。
食事（お斎）の会場も、和室や洋室などから選べる場合があり、料理の選択肢も豊富な点が魅力です。
遠方からの参列者がいる場合には、そのまま宿泊できる利便性もホテルの特徴です。
お寺
菩提寺がある場合は、お寺の本堂でも一周忌法要を執り行えます。
参列者がお寺へ直接集まる形となるため、遺影や位牌の持参は必須です。
お寺で法要を行うメリットは、僧侶の移動がないため日程の調整が比較的しやすい点です。
また、御車代（僧侶へお渡しする交通費）も必要ありません。
食事（お斎）については、お寺に会食場所が併設されている場合と、そうでない場合があります。
併設されていない場合は、近隣の料亭やレストランなどを別途手配しなければなりません。
自宅
自宅で一周忌法要を行う最大のメリットは、会場費が発生しない点です。
また、故人や遺族が慣れ親しんだ環境で法要を行え、遺影や位牌を持ち運ぶ必要がないメリットもあります。
ただし、ある程度の広いスペースが必要で、僧侶や参列者が座る座布団や焼香道具の準備もしなければなりません。（※）
会食を自宅で行う場合は、料理の準備・配膳・後片付けの手配も自分たちで行うため、ほかの会場とは異なる負担が発生します。
少しでも負担を軽くしたい場合は、仕出し弁当を頼むのがおすすめです。
※お寺によっては、僧侶が焼香道具を用意してくれるケースもあります。
一周忌法要の案内状の書き方
一周忌法要の日時や場所が決まったら、参列してほしい方々へ案内状を送付します。
案内状は、先方の都合も考慮して、法要の1～2カ月前までに届くよう準備しましょう。
相手が返信しやすいように、返信用はがきを同封するか、往復はがきを使用するのが一般的です。
案内状の文例は以下のとおりです。
なお、家族だけの小規模な一周忌法要の場合は、電話やメールで連絡して出欠を確認するケースもあります。
法要の案内状については、以下の記事でも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
| 【関連記事】 【文例あり】法要の案内状の書き方ガイド：正しい書き方と送るタイミング |
一周忌法要の服装は「喪服」が一般的
一周忌法要は、亡くなってから1年の節目であるため、失礼のない服装で参列するのがマナーとされています。
それぞれの立場における服装の基準は、以下のとおりです。
| 立場 | 服装 |
|---|---|
| 喪主 | 正喪服・準喪服 |
| 参列者 | 準喪服または略喪服 |
| 学生 | 学校制服 |
| 未就学児 | 黒を基調とした落ち着いた色合いの服 |
アクセサリーは、結婚指輪を除いて基本的に外します。
女性の場合は、一連のパールネックレスであれば着用しても問題ありません。
家族のみで一周忌法要を行う場合でも、服装の基本的なマナーは同じです。
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一周忌法要では喪主からの挨拶が必要
一周忌法要では、喪主が参列者へ向けて挨拶するタイミングが4回あります。
|
＜挨拶のタイミング＞ ・法要の開始時 ・法要の終了時 ・食事（お斎）の開始時 ・食事（お斎）の終了時 |
それぞれの挨拶は、長くなりすぎないように1分〜3分程度で簡潔にまとめるのが一般的です。
挨拶の際は、落ち着いたトーンで、参列者全体に聞こえるように話しましょう。
緊張する場合は、メモを見ながら話しても失礼にはあたりません。
挨拶の例文は以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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一周忌法要の準備は2カ月前〜始めるのがおすすめ
一周忌法要の準備は、余裕を持って2カ月前から始めるのがおすすめです。
早くから準備を始めなければ、法要会場や食事（お斎）の予約が埋まってしまう可能性があります。
一周忌法要に必要な準備内容は、以下のとおりです。
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＜一周忌法要に必要な準備＞ 1.日程を決める 2.会場を決める 3.お寺へ連絡 4.案内状を出す 5.食事の手配 6.引き出物の準備 7.供花・供物の用意 8.お布施の準備 |
「引き出物の準備」「供花・供物の用意」「お布施の準備」は、必ずしも上記の順番で進める必要はありません。
以下の記事を参考にすると、詳しい準備内容がわかります。可能な限り余裕を持って準備を進めるのが大切です。
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一周忌法要の当日の流れ
一周忌法要の一般的な流れは、以下のとおりです。
| 参列者の入場 | 席について僧侶の到着を待つ |
|---|---|
| 僧侶の入場 | 黙礼にてお迎えする |
| 僧侶の読経 | ― |
| 焼香 | 読経の最中に焼香を行う。
順番は、喪主・遺族・参列者 |
| 僧侶の法話 | 僧侶の法話を拝聴 |
| お墓参り | お線香や供花を持参してお墓参りをする |
| 食事（お斎） | 会場を移動し、食事を行う |
地域や宗派によって多少の違いは見られますが、基本的な流れは変わりありません。
なお、お布施は法要の前後か、食事（お斎）のあとにお渡しします。
家族だけで一周忌法要をした場合は「お礼状」を送る
お礼状とは、無事に法要を終えたことを報告する挨拶状です。
家族だけで一周忌法要を執り行った場合、お呼びしなかった親族や友人にお礼状を送るケースもあります。
一周忌法要を無事に終えたことを報告するだけでなく、法要に招かれなかったことに不快感を抱く方がいる可能性を考慮し、後のトラブルを未然に防ぐ意味合いもあります。
お礼状の書き方や送り方は、以下の記事を参考にしてみてください。
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一周忌に参列する際のマナー
一周忌法要の案内状が届いたら、できるだけ早めに返信するのが基本です。
やむを得ず欠席する場合は事前に電話で一報を入れ、その後、不参加の旨を記した案内状を返信するようにしましょう。
参加する際は、香典辞退の旨がない限りは香典を用意します。供花・供物の持参は必須ではありませんが、ご自身が親族の立場なら用意するのをおすすめします。
それぞれの相場は、以下のとおりです。
- 香典の相場は5千〜1万円
- 供花・供物の相場は3千〜1万5千円
内容を見ていきましょう。
香典の相場は5千〜1万円
香典の金額は、故人との関係性や会食の有無によって異なります。
以下の表は、法要のみ参列する場合の相場です。
| 故人との関係 | 相場 |
|---|---|
| 血縁関係 | 1万円〜3万円 |
| 親しい関係 | 1万円〜3万円 |
| 付き合い程度 | 5千円から1万円 |
食事（お斎）にも参加する場合は、追加で1万円〜2万円を包みましょう。
香典を包む際は不祝儀袋と呼ばれる封筒を用意します。
表書きの書き方や、封筒の種類は以下の表を参考にしてみてください。
| 水引 | 白黒の結び切り （5万円以上の場合は双銀） |
|---|---|
| 表書き | 御仏前・御香典 |
| 中袋 | 表面：包んだ金額 裏面：包んだ本人の住所・氏名 |
包んだ金額は、旧字体の漢数字（壱、弐、参など）で記入します。
より詳しい記入方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
| 【関連記事】【法事・法要】香典の金額は？関係性・回忌別の相場やマナーを徹底解説！ |
供花・供物の相場は3千〜1万5千円
供花や供物の金額は、故人との関係性によって前後します。相場は以下のとおりです。
| 親族の場合 | 5千円〜1万5千円 |
|---|---|
| その他の場合 | 3千円〜5千円 |
供物の品物としてよく選ばれるのは、果物・お菓子・お線香などです。
日持ちがして、小分けにできるものを選ぶのが良いとされています。
持参する際は、必ず喪主へ声をかけて手渡ししましょう。
勝手に祭壇やお仏壇にお供えするのは失礼にあたるためです。
法要の供物については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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【Q&A】一周忌法要に関するよくある質問
一周忌法要に関するよくある質問をまとめました。
- Q.一周忌法要をしないケースはある？
- Q.2人の法要を併せて行うのは問題ない？
- Q.一周忌法要でも香典返しは必要？
ひとつずつ回答します。
Q.一周忌法要をしないケースはある？
A.数は少ないですが、一周忌法要をしない家庭もあります。
ただし、執り行っているご家庭が多い傾向です。
実施するかはそれぞれの考え方によるため、しない場合は家族や親族間でしっかりと話し合うのがおすすめです。
お寺さんとの付き合いがある場合は、前もって僧侶へ相談するのも大切です。
Q.2人の法要を併せて行うのは問題ない？
A.同年に2人以上の年忌法要が重なった場合は、併せて執り行っても問題はありません。
2人以上の法要を同時に執り行うのを「併修（へいしゅう）」といい、一般的な方法です。
併修の場合、僧侶へお渡しするお布施の金額は、一般的な相場の1.5倍が目安となっています。
2人分だからといって、単純に2倍の金額を包む必要はありません。
Q.一周忌法要でも香典返しは必要？
A.一周忌法要の香典へのお返しは、会食と引き出物を合わせて、いただく香典の額の7割～同額程度を目安に用意します。
一周忌法要に欠席された方から香典・供花・供物などをいただいた場合は、別途お返しの品を送るのがマナーです。
『コープの家族葬』は一周忌法要のご相談も可能です
『コープの家族葬』では、葬儀後の四十九日や一周忌法要といった仏教行事のサポートも実施しています。
法要の準備・参列者への対応・引き出物（返礼品）の用意など、さまざまなお手伝いが可能です。
北海道でサービスを提供してきた実績と経験に基づき、各地域の慣習にそった法要を提供いたします。
北海道や、ご自分が住んでいる地域以外の慣習に詳しくない方は、気軽にご相談ください。
まとめ：一周忌法要は命日から1年後に行う大切な行事
一周忌法要とは、故人の命日から1年後に執り行う仏教行事を指します。
遺族の喪が明ける大切な日であり、比較的大きな規模で実施するのが特徴です。
一周忌法要では、僧侶との日程調整・会場の予約・食事（料理）の手配など、やるべきことが多くあります。
法要間近になって慌てないため、また当日に心から故人のご冥福を祈るためにも、余裕を持って準備を始めるのがおすすめです。
