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法要の挨拶は何を話せばいい?シーン別の例文や注意点を解説

「法要の挨拶では何を話せばいい?」
「どのタイミングで挨拶があるのか、何分くらい話せばいいかわからない」
「真似するだけでいい挨拶の例文が知りたい」

法要では、喪主からの挨拶が必要になる場面が多々あります。

 

挨拶には、適切とされている長さや、使ってはいけない言葉などがあります。

 

不適切な内容にならないためにも、事前に挨拶の流れやテンプレートを知っておくのが大切です。

 

本記事では、法要の挨拶のタイミング・注意点・基本的な構文・シーンごとの例文を解説します。

 

法要で挨拶する予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

<この記事でわかること>

・法要で挨拶する目的

・法要で挨拶するタイミング

・挨拶の基本的な構文

・シーン別の例文

 

法要で挨拶する目的

法要で挨拶する目的

法要とは、故人を偲び、冥福を祈るために執り行われる大切な仏教の儀式です。

 

また、法要における挨拶は、単なる形式的なものではなく、以下の目的を持っています。

 

  • 参列していただいた方々へ感謝の気持ちを伝える。
  • 故人の思い出や人柄に触れ、参列者と共に故人を偲ぶ時間を共有する
  • 今後の予定や式の流れを案内する(食事の案内や納骨など)

 

挨拶を通じて、遺族としての礼儀や誠意を示すのも挨拶の重要な役割です。

 

法要で挨拶する4つのタイミング

法要で挨拶する4つのタイミング

法要の挨拶は、主に4つのタイミングで行われます。

 

タイミング 挨拶の内容
法要の開始時 ・参列いただいたことへの感謝

・これから法要を執り行う旨

・故人の何回忌法要に該当するか

法要の終了時 ・法要が無事終了したことへの感謝

・法要後の予定

・予定がない場合は、お開きの挨拶と引き出物がある旨を案内

・今後のお付き合いや支援をお願いする言葉

食事(お斎)開始時 ・食事の席を設けたことの説明

・参列者にくつろいでほしい気持ち

・献杯の掛け声

食事(お斎)終了時 ・改めて参列していただいたことへのお礼

・無事法要や食事が終了した旨

・今後のお付き合いや支援をお願いする言葉

 

それぞれの場面で、喪主として適切な言葉を選ぶのが大切です。

 

シーンごとの例文は、本記事の「法要の挨拶の例文」で解説しています。

 

挨拶をするのは誰か

挨拶をするのは誰か

法要の挨拶をするのが誰か、基本的な担当者と、状況に応じた代役について解説します。

 

  • 挨拶は基本的に喪主がする
  • 献杯は喪主でなくてもいい

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

挨拶は基本的に喪主がする

法要の挨拶は、基本的に主催者である喪主(または施主)が行います。

 

ただし、以下の状態で挨拶が難しい場合は、必ず喪主が行う必要はありません。

 

  • 喪主が高齢で挨拶が難しい
  • 法要当日の体調が優れない

 

上記の場合は、ほかの遺族のなかから代表者を選び、挨拶を代わっても問題ありません。

 

献杯は喪主でなくてもいい

法要後に行われる食事(お斎)での献杯の挨拶は、必ずしも喪主が行う決まりはありません。

 

親族のなかの年長者や本家筋の方、あるいは故人と特に親しかった友人に依頼するケースも多く見られます。

 

地域によっては、自治会長や組合長といった方が献杯の発声をする場合もあります。

 

誰に献杯の挨拶を依頼するかは、地域性や親族間の慣習を考慮して決めるのが大切です。

 

また、家族だけの小規模な法要であれば、かしこまった献杯の挨拶を省略する場合もあります。

 

法要の挨拶に関するマナーや注意点

法要の挨拶に関するマナーや注意点

法要の挨拶には、以下のマナーや注意点があります。

 

  • 挨拶は3分程度にまとめる
  • 声は大きくゆっくりと話す
  • 忌み言葉は使用しない
  • 故人に関係ない話は避ける
  • 緊張する場合はメモを用意する

 

法要当日に参列者へ不快な思いをさせないためにも、事前に理解しておきましょう。

 

挨拶は3分程度にまとめる

法要の挨拶は、長くなりすぎないよう簡潔にまとめます。

 

1分〜3分程が理想です。長くても5分以内におさめるようにしましょう。

 

特に法要の開始時や終了時は、その後の儀式や移動があるため、手短に済ませるのがおすすめです。

 

食事(お斎)前の挨拶も、長くなると料理が冷めてしまうため、短く簡潔にするよう心がけましょう。

 

声は大きくゆっくりと話す

話す早さはゆっくりと、聞き取りやすいペースを意識しましょう。

 

法要ではマイクを使用しないケースも多いため、高齢の参列者を含めた全員に聞こえるよう、はっきりとした声で話すのが大切です。

 

会場の規模によってはマイクの使用も検討するのがおすすめです。

 

忌み言葉など避けるべき言い回しに注意する

法要では、使用を避けるべき言葉があります。「忌み言葉」や「重ね言葉」と言われるものです。

 

<同じ音を繰り返す言葉:不幸の繰り返しを連想させるため不適切>

例:おいおい・くれぐれ・重ねがさね・さまざま・いろいろ・ますます

 

<続き言葉:不幸の連続を連想させるため不適切>

例:引き続き・再び・重ねて

 

<死を連想させる言葉:縁起が悪いためほかの言葉に置き換える>

例:無くす・終わる・消える

 

<直接的な表現:参列者に不快感を与える可能性がある>

例:死ぬ・死亡・急死・自死・病死

 

普段何気なく使っている言葉ですが、法要の場では不適切に当たるため、うっかり使わないよう配慮しましょう。

 

故人に関係ない話は避ける

挨拶の内容は、故人や法要に関するものに集中し、無関係な話題や噂話、笑い話などは避けましょう。

 

個人的な話題や、意見が分かれる可能性がある政治的な話なども同様です。

 

マナー違反である以前に、参列者に不快感や違和感を与える可能性があります。

 

緊張する場合はメモを用意する

大勢の前で話すのに慣れていない場合や、悲しみが癒えておらず言葉がうまく出ないときには、挨拶の内容をメモにまとめておいても構いません。

 

メモを使う際は、紙に書いたものを用意するのがおすすめです。

 

スマートフォンのメモ機能は便利ですが、画面を見ながら挨拶をするのに抵抗感を抱く参列者もいる可能性もあるためです。

 

基本的な構文

基本的な構文

法要の挨拶には、ある程度決まった構文が存在します。

 

①:挨拶・お礼

②:遺族の気持ち

③:今後のお願い

④:結びの言葉

 

構文をもとに、状況に応じて内容を調整する方がほとんどです。

 

①:挨拶・お礼

法要の挨拶の冒頭では、参列していただいた方々への感謝の気持ちを伝えます。

 

四十九日法要など、葬儀から日が浅い法要であれば、葬儀の際にお世話になったことへのお礼も加えると丁寧です。

 

また、今回の法要が、故人のどの回忌にあたるのかを明確に伝えるのも大切です。

 

②:遺族の気持ち

遺族としての気持ちや、葬儀後の様子を簡潔に伝えることもあります。

 

様子を伝える場合は、参列者を心配させるようなネガティブな表現は避けましょう。

 

また、葬儀の際に十分に伝えられなかったお礼や、不備があったことへのお詫びなどを述べる場合もあります。

 

故人の人となりや思い出に触れる内容でも問題ありません。

 

③:今後のお願い

挨拶の中では、遺族としての今後の決意や、参列者の方々へのお願いを伝える場合もあります。

 

たとえば「家族一同力を合わせて生きてまいります」といった前向きな言葉や、「今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます」といった内容などです。

 

④:結びの言葉

最後に、挨拶を締めくくる言葉を述べます。内容は、法要後の予定に合わせて調整しましょう。

 

たとえば、食事(お斎)が用意されている場合は案内をして、故人の思い出話などを語り合いながらゆっくりと過ごしてほしいという気持ちを伝えます。

 

伝えた後は、改めて参列者への感謝の言葉を述べて、挨拶を終えます。

 

法要の挨拶の例文

法要の挨拶の例文

法要でよく見られる以下のシーン別に、挨拶の例文を紹介します。

 

  • 法要の開始時の挨拶
  • 法要の終了時の挨拶
  • 会食(お斎)開始時の挨拶
  • 献杯の挨拶
  • 会食(お斎)終了時の挨拶
  • 僧侶への挨拶

 

紹介するのは、あくまでも基本的な例文です。ご自身の状況に応じて言い換えて活用してみてください。

 

法要の開始時の挨拶

法要が始まる前の挨拶の文例は、以下のとおりです。

 

本日は、お忙しい中おいでいただきまして、誠にありがとうございます。

これより、母、北海花子の一周忌法要を執り行いたいと思います。

それではご住職、お願いいたします。

 

開始前の挨拶は手短に済ませます。

 

法要の終了時の挨拶

法要が終了する際の挨拶は、開始時と比較して長めになります。

 

<会食がある場合>

本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで、母、花子の四十九日法要を無事終えることができました。

今後とも、私たち家族一同に変わらぬご支援のほどをお願い申し上げます。

ささやかではございますが、別席にてお食事をご用意をさせていただいております。

お時間の許す限り、ごゆっくりとお過ごし頂ければと存じます。

本日は誠にありがとうございました。

 

会食がない場合は、以下のように締めくくります。

 

<会食がない場合>

本来であれば、皆さまと粗宴(そえん)を囲みながら故人を偲びたいところではございますが、遠方よりお越しの方も多いため、これにて終了とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。

 

食事(お斎)開始時の挨拶

食事(お斎)が始まる前の挨拶では「参列のお礼・法要を終えたお礼」を必ず述べましょう。

 

本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。

早いもので、母の一周忌を迎えることになりました。

ささやかではございますが、粗餐(そさん)をご用意させていただきました。

どうぞ召し上がっていただきますよう、お願い申し上げます。

本日は、参列いただき、誠にありがとうございました。

 

献杯の挨拶

献杯の挨拶は以下のとおりです。

 

それでは皆様、お手元のグラスをお取りになり、ご起立ください。

皆様ご唱和ください。献杯。

 

なお、献杯の作法は、一般的な乾杯と異なります。

 

グラス同士を合わせたり、グラスを高く掲げることはしません。

 

会食(お斎)終了時の挨拶

 

本日は、亡き母の一周忌法要にお運びいただき、誠にありがとうございました。

皆さまと和やかな時間を過ごすことができ、故人も喜んでいることと思います。

なごりはつきませんが、これにてお開きとさせて頂きたく存じます。

今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

お手もとに心ばかりの品を用意してございます。どうぞお持ちくださいませ。

本日は、本当にありがとうございました。

 

引き出物を用意している場合は、その旨も案内しましょう。

 

僧侶への挨拶

法要の前にお布施をお渡しする場合の挨拶は、以下の通りです。

 

早速ではございますが、お布施でございます。お納めください。

本日はよろしくお願いいたします。

 

葬儀後にお布施をお渡しする場合は、以下のような挨拶を行います。

 

本日は、誠にありがとうございました。

些少ながら、お礼でございます。どうぞお納めください。

これからもお世話になるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

 

法要後の挨拶状(お礼状)

法要後の挨拶状(お礼状)

法要終了後には、参列はできなかったが、香典やお供え物をいただいた方々へ感謝の気持ちを伝えるため、挨拶状(お礼状)を送ります。

 

挨拶状(お礼状)を送る際は、お礼の品物を添えるのがマナーです。

 

挨拶状(お礼状)を作成する際には、以下のルールに気をつけましょう。

 

  • 句読点(「、」や「。」)は使用しない
  • 忌み言葉や重ね言葉を避ける
  • 縦書きで書く

 

挨拶状に盛り込む内容は、ご弔慰をいただいたことへの感謝と、法要が無事に終了した報告です。

 

挨拶状(お礼状)の文例については、以下の記事をご覧ください。

 

【関連記事】

法事・法要のお礼状の全て|基本マナー・書き方・状況別の例文を紹介

 

まとめ:法要の挨拶では参列者への感謝を丁寧に述べる

法要の挨拶は、参列していただいた方々へ感謝の気持ちを伝えるための大切な機会です。

 

挨拶のタイミングは、法要の開始時・終了時・食事(お斎)の前後です。

 

参列への感謝・故人の思い出・今後のお付き合いのお願いなどを簡潔かつ丁寧に伝えましょう。

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