「葬儀が終了したあと、どのように挨拶すればいい?」
「いつまでに挨拶を済ませるのがマナー?」
葬儀後の挨拶には、お世話になった方への感謝を伝えるための大切な役割があります。
相手に失礼のないよう、訪問前のマナーや挨拶の内容を把握しておきましょう。
本記事では、葬儀終了後の挨拶回りの基本や・挨拶すべき方々・具体的な文例を解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
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<この記事でわかること> ・葬儀終了後の挨拶回りについて ・挨拶回りをするべき方々 ・挨拶回りの文例 ・挨拶回り以外で喪主が挨拶をするシーン |
葬儀終了後の挨拶回りとは?意味やマナーを解説

ご葬儀の後、故人とゆかりの深い方々や、葬儀を執り行う上でご尽力いただいた方々へ感謝の気持ちを込めてご挨拶に伺うことを「挨拶回り」と言います。
訪問は葬儀の翌日が望ましく、遅くても一週間以内に済ませるのがマナーです。
訪問時は、葬儀直後であれば喪服を着用し、2日目以降は地味な平服に変えます。通常は喪主と遺族の2人で訪問するのが一般的です。
挨拶回りをするべき方々

一般的に、以下の方々には挨拶するべきとされています。
- 宗教者
- 世話役・弔辞を読んでくれた方々
- お世話になったご近所さん
- 故人の恩人
- 故人の会社関係者
ひとつずつ見ていきましょう。
なお、手土産は不要とされていますが、用意しても失礼にはあたりません。
用意する際は、2,000〜3,000円程度を目安に用意しましょう。
宗教者
葬儀を執り行ってくださった僧侶・神官・神父・牧師などです。
葬儀への感謝の気持ちを伝え、もしお布施を渡しそびれていた場合は、この機会に渡しましょう。
世話役・弔辞を読んでくれた方々
葬儀の世話役や葬儀委員長、弔辞を読んでくださった方々も、挨拶回りの対象です。
事前に電話で訪問日時を調整し、感謝の気持ちを伝えましょう。
世話役や委員長との関係性によっては、謝礼を持参する場合もあります。
お世話になったご近所さん
葬儀中にお世話になったご近所の方々へも、感謝の気持ちを伝えます。
特に自宅葬の場合は、ご迷惑をおかけしたお詫びもかねて、挨拶回りをするのがマナーです。
ご近所さんと仲が良い場合は、簡素な手土産を持参してもよいでしょう。
故人の恩人
故人が特にお世話になった方々へも、感謝の気持ちを伝えます。
手土産は必ずしも必要ありませんが、持参しても失礼にはあたりません。
故人が病院で療養されていた場合は、看護や看取りに携わった医師や看護師の方々へもお礼を伝えましょう。
その場合、病院の規定に従い、適切な方法で挨拶をするのがマナーです。
故人の会社関係者
故人が会社勤務だった場合は、直属の上司や葬儀を手伝ってくれた方々へも挨拶に伺います。
事前に電話で連絡し、訪問日を調整しましょう。
故人の机やロッカーなどの片付け・掃除を行うのも大切です。
お礼の品や、改めて香典返しを持参してもよいでしょう。
【文例】葬儀終了後の挨拶回りの文言

挨拶の際は、相手に対する感謝をシンプルかつ丁寧に表現し、失礼のない言葉遣いを心がけましょう。
一般的な文例は以下のとおりです。
| この度は、〇〇の葬儀に際しまして、大変お世話になりました。
皆さまのご尽力のおかげで、滞りなく葬儀を執り行うことができました。 心より感謝申し上げます。 |
| この度は、〇〇の葬儀に際しまして、〇〇さんには大変お世話になりました。
心より御礼申し上げます。 今後とも、何かとご相談することがあるかと思いますが、その節はよろしくお願いいたします。 |
相手によって内容を少し調整しつつ、短めの挨拶を心がけましょう。
挨拶回りが困難なときはお礼状で感謝を伝える

お礼をしたい方々が遠方にお住まい、またはご多忙で直接お会いできない方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、お礼状で感謝を伝えるのがおすすめです。
本章では、お礼状に関する以下の内容を解説します。
- お礼状のマナー
- お礼状の文例
ひとつずつ見ていきましょう。
お礼状のマナー
お礼状は、時候の挨拶を省き本文から始めます。
また、忌み言葉や重ね言葉の使用は避けましょう。
忌み言葉とは「切れる」「終わる」など不吉とされる言葉です。
重ね言葉は「重ね重ね」「さまざま」など、同じ音をくり返す言葉を言います。
「同じ言葉が続く=不幸が繰り返される」といった縁起の悪さから、弔事全般で使用は控えるべきとされています。
忌み言葉・重ね言葉の詳細や、適切な言い換え方は以下の記事で解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
お礼状の文例
お礼状の一般的な文例は以下のとおりです。
| 拝啓
〇〇の葬儀の折には 立派なご供花(お供え・ご弔電)を賜り まことにありがとうございました お陰様で無事に葬儀を相営むことができました ここに生前のご厚誼に深く感謝し 心より御礼申し上げます 謹白 令和〇〇年〇〇月〇〇日 〒〇〇〇-〇〇〇 北海道札幌市中央区南〇条〇丁目〇-〇 喪主 〇〇 〇〇 外 親族一同 |
文例を参考に、ご自身の言葉で感謝の気持ちを伝えましょう。
葬儀中の挨拶についても把握しておきましょう

喪主が行う挨拶は、葬儀後だけではありません。
葬儀中も要所で挨拶する場面があります。挨拶する場面は、大きく以下の3つです。
- お通夜
- 葬儀・告別式
- 精進落とし
例文を交えつつ解説していきます。
お通夜での挨拶
お通夜での挨拶は、参列者への感謝の気持ちを伝えるとともに、翌日の葬儀・告別式の日時や場所などを伝えます。
| 本日はご多忙のなか、通夜に足をお運びいただきまして、ありがとうございます。
母も感謝していることと思います。故人に代わり、厚くお礼申し上げます。 ささやかですが、別室に粗餐(そさん)を用意してございます。 亡き母をしのんで召し上がっていただければ、故人の何よりの供養になると思います。 なお、明日の葬儀・告別式は(午前・午後)〇〇時でございます。 本日は、まことにありがとうございました。 |
葬儀・告別式での挨拶
葬儀・告別式での挨拶は、参列者への感謝の気持ちを伝えるとともに、故人の生前の様子や人柄などを語ります。
以下の内容を盛り込みつつ、自分の言葉で感謝を伝えましょう。
- 参列のお礼
- 生前の厚意への感謝
- 故人の生前エピソード
- 今後とも変わらない支援のお願い
文例は以下のとおりです。
| 本日はお忙しいなか、葬儀・告別式にお運びいただき、ありがとうございました。
妻の〇〇〇〇は、〇月〇日の〇〇時に病院で息を引き取りました。 入院中は、皆さまにお見舞いに来ていただき、妻にとって何よりの励みだったと思います。 そして本日、皆さまに見送っていただくことができましたこと、妻に代わりまして厚くお礼申し上げます。 今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。 本日はお忙しいなか、まことにありがとうございました。 |
精進落としでの挨拶
精進落としは、参列者へ感謝の気持ちを改めて伝える場です。
喪主の挨拶は、開式と閉式のタイミングで行います。
開式のときは、無事終了できたことへの感謝を述べ、皆さまにゆっくりと食事を楽しんでほしいという気持ちを伝えます。
閉式の際には、今後とも変わらぬお付き合いをお願いしたいと伝えるのが一般的です。
文例は以下のとおりです。
| <開式のとき>
本日は、〇〇の葬儀にご参列いただき、まことにありがとうございます。 おかげさまで、滞りなく葬儀を執り行うことができました。 皆さまには、心より感謝申し上げます。 ささやかながら、お食事をご用意させていただきました。 どうぞごゆっくりとお召し上がりくださいませ。 |
| <閉式のとき>
本日は、ご多忙のなか、〇〇の葬儀にご参列いただき、まことににありがとうございました。もっと皆さまのお話を伺いたいところですが、このあたりで閉じたいと存じます。 なにとぞ、これからもよろしくお願いいたします。 本日は、まことにありがとうございました。 |
喪主が挨拶する際にきをつけたいポイント

葬儀で挨拶する際は、以下の点に気をつけましょう。
- 忌み言葉・重ね言葉を避ける
- ゆっくりと話す
- 1〜3分程度におさめる
ひとつずつ解説します。
忌み言葉・重ね言葉を避ける
忌み言葉や重ね言葉の使用は避けましょう。
「重ね重ね」や「さまざま」などは、繰り返しを連想させ、縁起が悪いとされているためです。
また、宗教によって異なる忌み言葉も存在するため、挨拶の内容に迷う場合は、親族や葬儀社に確認しましょう。
忌み言葉については「注意!葬儀で控えるべき「忌み言葉」の一覧と言い換え方を解説」の記事をご参照ください。
宗教宗派によって不適切とされている言葉も解説しています。
ゆっくりと話す
話す速度に注意し、ゆっくり・はっきり伝えるのが大切です。
早口になってしまうと、参列者に伝わりにくくなるため、焦らずに自分のペースで話しましょう。
不安な場合は、カンペを使っても問題はありません。
1〜3分程度におさめる
挨拶の長さは1〜3分程度におさめるのが適切です。
あまりに長い挨拶は、参列者に負担をかける恐れがあります。
反対に、短すぎると感謝の気持ちが十分に伝わらない可能性があります。
適切な長さで、故人への思いと参列者への感謝をしっかり伝えましょう。
挨拶の長さに不安がある場合は、葬儀社に相談するのもおすすめです。
まとめ:葬儀後は早めに挨拶回りをし感謝を伝えましょう

葬儀が終了したときは、なるべく早めにお世話になった方々へ挨拶回りをし、感謝を伝えましょう。
葬儀の翌日に挨拶するのが理想ですが、難しい場合は7日目までに済ませます。
どうしても挨拶に伺えないときは、お礼状で感謝を伝えても問題はありません。
いずれにせよ、葬儀から日が経たないうちに感謝を伝えるのが大切です。
