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家族葬における焼香のやり方やマナーを解説|焼香だけの参列についても説明

「家族葬でも焼香って必要なの?」
「家族葬の場合、焼香のやり方やマナーに違いはある?」

 

家族葬は近年人気の葬儀形式です。今までの一般葬と形式が異なるため「宗教儀礼に関するマナーも変わるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで、本記事では家族葬における焼香のマナーを解説します。各宗派で異なる作法も解説しているため、家族葬を検討している方は参考にしてください。

 

<この記事でわかること>

  • 家族葬における焼香のマナー
  • 各宗派の焼香のマナー
  • 参列者以外が焼香に伺う際のマナー

 

家族葬とは

家族葬とは

家族葬とは、遺族・親しくしていた身内・友人など、少人数で執り行う葬儀の形式です。逝去を公表せず、こぢんまりと執り行います。

 

規模は2〜30名程度が一般的です。縁があった方々に広く参列してもらう従来の形式とは異なりますが、葬儀の流れやマナーは変わりません。

 

そもそも焼香とは?

焼香とは

焼香とは、お香を炊き、故人や仏様を拝むための行為です。「心身を清めて故人や仏様を拝む」「煙が故人をあの世へ導いてくれる」という意味があります。

 

仏式の通夜・葬儀・法要で行います。いずれの式でも作法は変わりません。仏教として大切な行為なため、家族葬でも必ず行います。

 

また、香には「線香」と「抹香」の2種類があり、近年は「抹香=焼香」という認識が一般的です。

 

焼香の種類と基本的なマナー

焼香のマナー

焼香には基本的なマナーと、宗派ごとの細かなマナーが存在します。本章では、基本的なマナーを解説します。手順は以下のとおりです。

  1. 1.数珠を左手に持つ
  2. 2.右手の人差し指・中指・親指で抹香をつまむ
  3. 3.額(ひたい)の高さまで持ち上げる
  4. 4.抹香を火種の方に落とす
  5. 5.手をあわせる

宗派で違いが出るのは「3」の手順です。詳細は、本記事の『宗派によって異なる焼香の回数』をご参照ください。

 

なお、焼香の際に数珠を椅子や座布団の上に置くのはマナー違反なため、必ず持ち歩くようにしましょう。手をあわせる際は、人差し指と中指の間にかけて合掌します。

 

また、焼香には以下3つのパターンがあり、それぞれで焼香するまでの流れが多少異なります。

  • 立礼焼香
  • 座礼焼香
  • 回し焼香

それぞれの流れを解説します。

 

立礼焼香

立礼焼香は、椅子席の葬儀で多用される方法です。以下のように焼香をします。

  1. 1.自分の順番がきたら祭壇の前に進む
  2. 2.遺族に一礼する
  3. 3.焼香台まで進む
  4. 4.祭壇に向かって合掌する
  5. 5.焼香を行う

家族葬の場合「2.遺族に一礼する」は省略されるケースがほとんどです。

 

また、一般葬の場合は焼香後に後ろへ振り向いてお辞儀をしますが、家族葬ではあまり見られません。

 

座礼焼香

座礼焼香は、畳席の葬儀でよく行われます。基本的な動作は前項の『立礼焼香』と同じです。移動時は起立せずに腰を落として焼香台に向かいます。焼香は正座でするのがマナーです。

 

回し焼香

回し焼香は、式場が狭い際に見られる方法です。参列者は席を立たず、焼香台を回して行います。手順は以下のとおりです。

  1. 1.焼香台が自分のところへ回ってきたら、軽くお礼をする
  2. 2.祭壇に向かって合掌する
  3. 3.焼香を行う
  4. 4.次の方へ焼香を回す

 

家族葬における焼香のタイミング

焼香のタイミング家族葬も一般葬と変わりなく、僧侶が読経している際に焼香を行います。

 

読経が始まったのち、葬儀スタッフが適当なタイミングで焼香を渡してくれるため、遺族が気にする必要はありません。なお、葬儀の流れは一般葬と同じです。

 

家族葬で焼香をあげる順番

焼香をあげる順番

家族葬では、喪主から座席順で焼香をするのが一般的です。座席は血縁関係の濃い順で座ります。一般的な順番は以下のとおりです。

  1. 1.喪主
  2. 2.故人様の配偶者
  3. 3.子ども
  4. 4.故人の父母
  5. 5.孫
  6. 6.兄弟姉妹
  7. 7.会社関係者、友人(家族葬に参列する場合)

地域によっては、年齢順や血縁関係の濃い方が最後に焼香をするところもあります。地元の作法に詳しくない方は、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

宗派によって異なる焼香の回数

焼香の回数

前述のとおり、焼香の回数は宗派によって異なります。各宗派の違いを以下の表にまとめました。

宗派 焼香の回数
浄土宗 1〜3回

特に決まりはなく、3回する方がほとんど

浄土真宗本願寺派 額に押し頂かずに1回
浄土真宗大谷派 額に押し頂かずに2回
浄土真宗高田派 額に押し頂かずに3回
臨済宗 額に押し頂かずに1回
日蓮宗

1〜3回

額には押し頂かない

曹洞宗

合計2回

1回目は額に押し頂く

2回目は押し頂かない

天台宗

1〜3回

特に決まりはない

真言宗 3回

なお、故人の宗派が分からない場合は自分の宗派に合わせても問題はありません。

 

家族葬に焼香だけあげにいくのは可能?

お葬式のお焼香

ほとんどの遺族は「特定の人だけでゆっくり故人を見送りたい」と考え、家族葬を選択します。

 

そのため、参列者以外が焼香をあげにいくのは控えるのがマナーです。

 

ただし、訃報を受けた際に参列辞退の文句がなく、どうしても線香をあげたい場合は、遺族に連絡してみるのもよいでしょう。

 

また、遺族が式前焼香の形式をとっている場合は、焼香に伺っても問題はありません。

式前焼香とは

葬儀が始まる前に焼香をし、故人とお別れをしてもらうスタイルです。近年新しく生まれた形式で、家族葬に参列しない方でも式前焼香は可能です。

 

焼香だけ参列する際のタイミング

式前焼香ではない形の家族葬にて焼香だけ参列する場合は、通夜の前後で訪問するようにしましょう。30分前くらいが理想です。通夜後の場合は、通夜振る舞いの最中に焼香をあげます。

 

ただし、家族葬の場合は通夜振る舞いを省略するパターンも多く見られるため、確実なのは通夜前のタイミングです。

 

どちらのタイミングであっても、故人を偲ぶ時間であることを忘れず、遺族への配慮を心がけましょう。

 

焼香だけ参列する際のマナー

焼香だけであっても正装で参列するのがマナーです。参列する際は、喪服や準喪服を着用しましょう。

 

靴や靴下は黒で統一します。女性はデニールが厚すぎない黒ストッキンを着用しましょう。

 

髪の毛は清潔感を意識しセットします。長い髪はひとつ結びにし、派手な髪色の場合は黒染めスプレーなどを利用するのがおすすめです。

 

家族葬後に弔問で焼香する際のマナー

家族葬に焼香だけあげにいくのは可能?

「故人に手を合わせたい」という方は、家族葬後に弔問して焼香するのが最適です。その際は事前に遺族へ連絡し、伺ってもいいかを確認しましょう。

 

また、自宅の場合は焼香ではなく線香が一般的です。本章では、弔問時の以下に関するマナーを解説します。

  • 焼香をあげる際のマナー
  • 服装のマナー
それぞれ見ていきましょう。

 

線香をあげる際のマナー

弔問時の線香の手順は以下のとおりです。

  • 仏壇の前に座り、遺族・遺影と一礼する
  • マッチやライターでろうそくに火をつける
  • 線香を取り、ろうそくから火をもらう(※線香にライターやマッチで火をつけるのは失礼にあたります。必ずろうそくからもらいましょう)
  • 線香の火を手であおいで消す(息で吹き消すのはマナー違反ですので、必ず手であおぎ消しましょう)
  • 線香を香炉に立てる
  • 故人に合掌し、遺族に一礼する

宗派によって、線香の本数や、香炉に立てるのか寝かすのかが異なります。故人の宗派を把握している場合は、以下の表を参考に線香をあげましょう。

宗派 線香の作法
浄土宗 「1本を立てる・2本を折って寝かせす」の2パターンがある
浄土真宗本願寺派 1本を2つに折って寝かせる
浄土真宗大谷派
浄土真宗高田派
臨済宗 1本を立てる
日蓮宗 1本〜3本を立てる。3本の場合は自分から見て逆三角形になるように立てる
曹洞宗 1本を立てる
天台宗 3本を自分から見て逆三角形になるよう立てる
真言宗

故人の宗派が分からない場合は、自分の宗派にならって問題はありません。

 

服装のマナー

弔問時は平服で伺います。平服といっても普段どおりのカジュアルな服装ではなく、落ち着いた色合いで清潔感のあるコーディネートを心がけましょう。

 

時計やアクセサリーは極力外します。

 

供物・供花をお供えする際は、遺族の負担を軽減するために「お返しは不要です」と伝えてあげると親切です。

 

まとめ:家族葬でも焼香のマナーは一般葬と同じ

家族葬であっても。焼香の基本的な作法やマナーは一般葬と変わりありません。ただし、焼香は宗派によって回数や作法が異なるため、故人の宗派や作法を事前に確認しておくと安心です。

 

家族葬に参列しない場合、焼香だけの参列は控えましょう。どうしてもという場合は、後日弔問するようにします。その際、弔問に伺ってもいいか事前に確認しておくのがマナーです。

 

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