お葬式には種類がありますが、家族葬と直葬(ちょくそう)・火葬式の具体的な違いが分からない方や、どの葬儀プランが良いのか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
葬儀社によって名称は異なりますが、基本的にお葬式には4つの葬儀プランがあり、最も人気なのが家族葬となっています。
とはいえ、最適なお葬式の形式は、ご家庭によって違うため、失敗や後悔をしないためには、どのような葬儀プランなのかを知っておくことが大事です。
そこで本記事では、家族葬と直葬・火葬式の費用や葬儀の流れの違いを比較しやすいよう、一覧表で分かりやすく解説します。
大切な家族や自身のお葬式に最適な葬儀プランの選び方もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
家族葬と直葬・火葬式の違いとは?
家族葬と直葬・火葬式の違いを理解しやすいよう、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
家族葬とは?
家族葬とは、一般的に30名以下を基準とした少人数の葬儀で、家族や親族、故人のごく親しい友人などが集って執り行うお葬式です。
【メリット】
- 家族や親族が故人とゆっくりとお別れができる。
- 参列者がいない、もしくは少ないため、葬儀での気遣いや葬儀後のお礼、香典返しなどの準備の手間が省ける。
【デメリット】
- 参列者が少ないためお香典が集まらない。
- 故人とお別れをしたい人が参列できない。
2022年に実施された全国のお葬式の種類に関するアンケートによると、約67%もの人が家族葬を希望している結果となりました。
種類 | 割合 |
---|---|
家族葬 | 66.9% |
一般葬 | 13.3% |
一日葬 | 10.1% |
直葬・火葬式 | 9.7% |
出典:お葬式に関するアンケート結果(全日本葬祭業協同組合連合会)
家族葬の特長に関しては「家族葬の費用や相場はどれくらい?従来の葬儀との違いは?」の記事をご覧になり、理解を深めておくことをおすすめします。
直葬・火葬式とは?
直葬・火葬式とは、10名以下のごく少人数によって、基本的に宗教的儀式を省略して、火葬を目的としたお葬式のことをいいます。
【メリット】
- 葬儀代を大幅に削減できる。
- 時間を大幅に短縮できる。
【デメリット】
- 家族や親族に反対される可能性がある。
- お付き合いのあるお寺に反対され、寺院の経営する墓地や納骨堂へ納骨できない可能性がある。
- 後々になってから後悔する場合がある。
直葬と火葬式の違いとは?
直葬と火葬式は、基本的には同じ意味合いで、どちらも火葬を目的としたお葬式のスタイルです。
ただし、葬儀社によっては、次のように直葬と火葬式を明確に分類していますので、希望に合わせて選択しましょう。
- 直葬:死装束や枕飾りなどを一切用意せずに、ドライアイスや棺といった火葬に必要な最小限の品目となる。
- 火葬式:ご遺体の安置では、死装束や枕飾りなどを行うため、手を合わせてお線香をあげることができる。
なお、コープの家族葬では、直葬プランと火葬式プランをそれぞれご用意しています。
家族葬と直葬・火葬式の費用の違い
家族葬と直葬・火葬式とでは葬儀費用が異なり、内訳となる品目に大きな違いがあるため、葬儀代においても差額が生じます。
家族葬と直葬・火葬式の品目の比較
家族葬と直葬・火葬式の葬儀プランに含まれる品目を比較しやすいよう、一覧表にまとめましたのでご覧ください。
品目 | 家族葬 | 火葬式 | 直葬 |
---|---|---|---|
安置施設 | 〇 | 〇 | 〇 |
斎場使用料 | × | × | × |
控室使用料 | 〇 | 〇 | × |
祭壇 | 〇 | × | × |
白木位牌 | 〇 | × | × |
遺影写真 | 〇 | × | × |
寝台車 | 〇 | 〇 | 〇 |
枕飾り | 〇 | 〇 | × |
枕飾り仏花 | 〇 | 〇 | × |
ドライアイス | 〇 | 〇 | 〇 |
棺 | 〇 | 〇 | 〇 |
死装束 | 〇 | 〇 | × |
骨壷・骨箱 | 〇 | 〇 | 〇 |
搬送車 | 〇 | 〇 | 〇 |
後飾り壇 | 〇 | × | × |
ローソク・線香 | 〇 | 〇 | × |
運営スタッフ | 〇 | 〇 | 〇 |
税込料金 | 43.78万~ | 20.9万円~ | 8.58万円~ |
※コープの家族葬の葬儀プランの場合。別途施行管理手数料と斎場使用料(家族葬プラン)が必要となります。
家族葬の相場費用は約70~120万円
家族葬は家族や親族が故人としっかりとお別れのできる葬儀プランで、費用相場は約70~120万円となっています。
近年は家族葬専用の斎場を貸し切って、家族や親族とアットホームなお葬式ができるようになりました。
直葬・火葬式と比較して葬儀代が割高なのは、式場使用料や祭壇、参列者へのおもてなしの料理などが必要になるためです。
直葬・火葬式の費用相場は約20~30万円
直葬・火葬式の費用相場は約20~30万円で、最も葬儀代が節約できる葬儀プランです。
福祉葬へ対応している葬儀社なら、地域の自治体が費用負担を行っているため、生活保護の方でも直葬・火葬式ができます。
家族葬と直葬・火葬式の流れの違い
家族葬と直葬・火葬式とでは、お葬式の流れに大きな違いがあるため、具体的な順序をご紹介します。
家族葬の流れ
家族葬は、お通夜と葬儀・告別式の2日間に亘って執り行う葬儀プランで、宿泊のできる斎場施設を選ぶことが一般的です。
【事前準備】
- ご逝去
- ご遺体の搬送と安置
- 葬儀社との打合せ
【1日目】
- 納棺
- お通夜
- 通夜振る舞い
【2日目】
- 葬儀
- 告別式
- 火葬
- 還骨法要・繰上げ法要
- 精進料理
2022年の調査によると、全国における葬儀のお布施の相場金額は約42.5万円で、平均の価格帯は約15~50万円でした。
出典:葬式のお布施の相場は?渡す時のマナーも確認!(北のお葬式)
家族葬ではお通夜と葬儀で読経による供養を行い、火葬後はその延長で繰り上げ法要を行うのが一般的なため、故人をきちんと供養することができます。
また、お通夜の後の通夜振る舞いや精進料理のおもてなしによって、参列者へもきちんとお礼ができるのが家族葬の特長です。
家族葬ではお布施に関しても迷いやすいため、「お葬式・家族葬にお坊さんを呼ばないのはダメ?」「家族葬で戒名は必要?つけるかどうかを決める4つの判断ポイントと費用」の記事を参考になさってください。
なお、お布施の相場費用や準備方法と渡し方は、「家族葬のお布施の相場金額とは?表書きとお金の入れ方~正しい渡し方」の記事で詳しく解説していますので、知識とマナーを学んでおきましょう。
直葬・火葬式の流れ
直葬・火葬式は、お通夜や葬儀による宗教的な儀式を省略する流れとなっていますが、希望があれば火葬時に読経することは可能です。ただし、寺院によってはそのような形式を認めていないため、事前に確認が必要となります。
【事前準備】
- ご逝去
- ご遺体の搬送と安置
- 葬儀社との打合せ(搬送前にに行うプランや葬儀社もあります)
【1日目】
- 納棺
- 火葬
基本的に個人では難しい搬送や火葬といった必要最小限の作業を葬儀社へ委託する流れなのが直葬・火葬式です。
直葬・火葬式という名称ではあるものの、火葬場へ直接搬送をする訳ではなく、ご遺体は病院や警察からご自宅や安置施設へ搬送して安置する流れとなっています。
葬儀プランの最適な選び方
家族葬と直葬・火葬式のどちらが良いのか、他の葬儀プランはどうなのか迷う方のために、次の3つのポイントを解説します。
- ①家族葬と直葬・火葬式とで迷いやすい理由
- ②葬儀プランは基本的に4種類ある
- ③家族葬か直葬・火葬式に迷ったら「一日葬」「自宅葬」を検討しよう
① 家族葬と直葬・火葬式とで迷いやすい理由
葬儀プランを検討する際、家族葬と直葬・火葬式とで迷いやすい理由は、主に次の4つです。
- 家族葬をしたいけれど費用を抑えたい
- 家族葬をしたいけれど時間を抑えたい
- 直葬・火葬式だと故人や身内に失礼だと感じる
- 直葬・火葬式だと菩提寺とトラブルになる
② 葬儀プランは基本的に4種類ある
お葬式は人数規模によって4つの葬儀プランがあり、家族葬と直葬・火葬式の費用の比較は以下のとおりです。
葬儀プラン | 人数の目安 | 相場費用 |
---|---|---|
一般葬 | 30名以上 | 約120~160万円 |
家族葬 | 30名まで | 約70~120万円 |
一日葬 | 30名まで | 約40~60万円 |
直葬・火葬式 | 10名以下 | 約20~30万円 |
※自社調べ
コープの家族葬の葬儀プラン
コープの家族葬では、ご予算に応じて葬儀プランを選びやすく、ご要望に合わせて食事の用意やグレードアップをしやすい価格設定となっています。
家族葬プラン 税込437,800円~(別途施設使用料・施行管理手数料が必要です。)
まるでホテルにいる感覚で、ご遺族やご親戚がゆったりと寛ぎながら、故人とお別れのできる斎場なのがコープの家族葬の特長です。
- ゆったり寛げるリビングダイニング
- テレビ&電子レンジなど家電完備
- 飲食の持ち込みができる
- Wi-Fi完備
- バスルーム付き宿泊設備完備(一部施設はシャワールーム)
- 対面可能な安置施設完備
- 1日1組の貸し切り対応
一日葬プラン 税込437,800円~(別途施設使用料・施行管理手数料が必要です。)
お通夜を省略して葬儀費用を削減できる一日葬なら、ご予算とご家族の負担を抑えられます。
- 快適な家族葬専用斎場を利用できる
- お通夜を省いてご予算を抑えられる
- お忙しいご家族やご親戚も集まりやすい
自宅葬 税込341,000円~(別途施行管理手数料が必要です)
ご自宅で気兼ねなくお別れができ、葬儀費用を極限まで削減することができます。
- 住み慣れた我が家で故人とお別れできる
- 葬儀費用を大幅に削減できる
- ご近所の方も会葬ができる
火葬式 税込209,000円~
ご予算の少ない方でも、火葬式なら搬送から火葬までお任せができ、お線香をあげることができます。
- 少ないご予算でお別れができる
直葬 税込85,800円~
お葬式が不要な場合、最安85,800円~で火葬ができます。
- 格安料金で火葬ができる
③ 家族葬か直葬・火葬式に迷ったら「一日葬」「自宅葬」を検討しよう
葬儀社によっては、「一日葬」「自宅葬」など、お得な葬儀プランを提供しています。
家族葬と直葬・火葬式とで迷う場合は、そのほかの葬儀プランにも注目してみることがおすすめです。
葬儀プランや料金設定は地域や葬儀社によって異なるため、希望を正直に伝えて、必ず事前に見積りを取得するようにしましょう。
一日葬のメリット
お通夜を省略して1日で執り行う「一日葬」を選択すれば、家族葬に比べて葬儀の費用と時間を抑えることが可能です。
一日葬なら、葬儀としての読経を伴う供養をしっかりと執り行うこともできるため、親族から反対されにくく、後悔する要素も少ないでしょう。
自宅葬のメリット
葬儀社や火葬場の式場を利用せず、自宅で家族葬を執り行う「自宅葬」を選択することで、斎場使用料の出費を大幅に抑えることができます。
ただし、自宅へ僧侶や親族などの参列者が集うため、それなりの自宅の広さや、座布団や茶器など、必要品の準備が必要です。
まとめ:家族葬と直葬・火葬式の違いは費用と流れ!迷ったら一日葬や自宅葬を検討しよう
家族葬と直葬・火葬式の違いと、適切な葬儀プランの選び方についてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。
- 家族葬と直葬・火葬式の違いは、費用・品目とお葬式の流れである。直葬と火葬式は同じ意味合いの簡素化されたお葬式で、火葬のみを目的としている。
- 葬儀プランには「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬・火葬式」があり、葬儀社によっては「自宅葬」にも対応している。
- 家族葬と直葬・火葬式とで迷ったら、「一日葬」「自宅葬」を検討して、事前に葬儀社へ見積り取得を行うと後悔しないお葬式選びができる。
お葬式は失敗するとやり直しができないため、適切な選択が必要です。
大切な家族や自分の将来のため、家族葬や直葬・火葬式で迷う場合は、葬儀社へご相談ください。
コープの家族葬では、365日24時間、無料相談を承っており、安心の明瞭価格でお見積りに対応しています。