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生活保護は香典を受け取れない?没収されるという噂は本当かを解説

「生活保護受給者は葬儀をしても香典を受け取れないの?」
「香典を受け取ったら自治体に没収されるってウワサは本当?」
「生活保護受給者が葬儀に参列する際の香典は生活保護から支給される?」

 

生活保護受給者の香典については、さまざまな噂が交錯しています。

 

葬儀を執り行う可能性がある方や参列する予定のある方のなかには、香典の取り扱いに対して不安や疑問を持っている方もいるでしょう。

 

そこで本記事では、生活保護受給者の香典に関して解説します。

 

故人または遺族の立場となる可能性がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

<この記事でわかること>

・生活保護受給者が葬儀をとり行った際の香典の処遇

・生活保護受給者の葬儀について

・生活保護者受給者の葬儀に参列する際の香典の相場

 

生活保護者の葬儀でいただいた香典について

生活保護社がいただいた香典の取り扱い

故人や遺族が生活保護受給者の場合、生活困窮者を助ける葬祭扶助制度の利用により自己負担なしで葬儀を執り行える可能性があります。

 

葬祭扶助制度を利用した葬儀は「福祉葬」と呼ばれており、内容は最低限の葬送に限られますが、ご遺体の搬送・火葬が可能です。

 

また、福祉葬に参列者の制限はありませんが、基本的には近親者のみで行います。

 

福祉葬にも香典を渡す文化はあるものの、世間では「没収される」「収入とみなされる」などのデタラメな情報が交錯しています。

 

しかし、香典が没収されたり、収入とみなされたりはしません。本章では、福祉葬における香典の取り扱いに関する以下の2点を解説します。

  • 生活保護者も香典は受け取ってよい
  • 香典の使い道は基本的に自由

ひとつずつ見ていきましょう。

 

生活保護者も香典は受け取ってよい

生活保護受給者が福祉葬にて葬儀をとり行った際、参列者が用意した香典は受け取って問題ありません。

 

また、香典は所得とみなされないため、役所への申請・報告も不要です。

 

「没収される」という噂もありますが、事実無根です。

 

ただし、親族から「援助」として金銭を受け取った場合は、収入とみなされる可能性があります。

 

香典の使い道は基本的に自由

香典の使い道に制限はありません。故人の供養や生活費など自由に使用してよいとされています。

 

ただし、香典をいただいた場合、強制ではありませんが香典返しを送るのが一般的なマナーです。

 

香典返しを用意するための費用は生活保護の支給対象外のため、いただいた香典から捻出するのがよいでしょう。

 

なお、香典返しの全国的な相場はいただいた金額の半額程度とされています。

 

北海道では1,000〜3,000円程度の品物を用意し、当日返しをもって香典返しとするのが一般的です。

 

参列者がいる場合は事前に用意しておきましょう。

 

そもそも生活保護者は葬儀を執り行える?

生活保護受給者の葬儀について

生活保護受給者でも、葬儀は執り行えます。

 

「葬祭扶助制度」と呼ばれる生活保護受給者や困窮者向けの葬祭費用支援制度を利用すれば可能です。

 

ただし、すべての生活保護受給者が当制度を利用できるとは限りません。

 

以下の項目を含めた細かな基準に該当した方のみ、制度を利用できます。

  • 遺族が生活困窮で葬儀費用を負担できない場合
  • 遺族も生活保護受給者である場合

また、故人の所有金品不足や遺体引き取り手不在の場合も、葬祭扶助制度の対処です。

 

支給額は、自治体によって異なり、150,000〜215,000円の間で支給されます。

 

なお、葬祭扶助制度を利用した場合、火葬だけで葬儀を終了とする「直葬」で行うのが原則です。

 

引用:

生活保護法「葬祭扶助

厚生労働省「生活保護法による保護の基準

 

葬祭扶助制度の申請〜葬儀終了までの流れ

葬祭扶助制度の申請の流れ

葬祭扶助制度の申請から葬儀終了までの流れは以下のとおりです。

  • 葬祭扶助の対象となるか確認
  • 葬儀を執り行う
  • 葬儀費用の清算

葬祭扶助制度は葬儀前に申請するのが鉄則です。

 

葬儀後に申請した場合、支払い能力があったとみなされて葬儀費用が自己負担となってしまいます。不用意に立て替えないよう注意しましょう。

 

1.葬祭扶助の対象となるか確認

葬儀社へ葬儀を依頼する前に、申請者の住所がある自治体の福祉事務所へ連絡します。

 

すでにケースワーカーがいる場合は、その方へも相談しましょう。ケースワーカーの連絡先が分からないときは、民生委員に連絡するとつないでくれます。

 

その後、申請者が葬祭扶助の対象となるか確認する作業へ入ります。

 

生活保護受給者であれば必ず支給されるとは限らないため、自分で判断せずに必ず福祉事務所へ確認しましょう。

 

2.葬儀を執り行う

葬祭扶助の対象となったら葬儀社へ葬儀を依頼します。依頼する際は、葬祭扶助制度を利用する旨を必ず伝えましょう。

 

葬祭扶助の葬儀は、火葬式や直葬といった必要最低限の形式で行われます。

 

ほとんどの場合、広く参列者を招くことはせず、近親者のみで執り行います。

 

【関連記事】家族葬と直葬・火葬式の違いとは?費用や流れの比較とプランの選び方

 

3.葬儀費用の清算

葬儀が終了したら、葬儀社から福祉事務所へ葬儀費用が請求されます。

 

請求書をもとに福祉事務所から葬儀社へ費用を支払い、清算終了です。

 

喪主を介さずに行われるため、清算について当人たちは関わりません。

 

葬祭扶助制度の支給金額について

葬祭扶助制度の支給額

葬祭扶助制度の支給額に関する以下の3点について解説します。

  • 支給額は地域によって異なる
  • 支給対象となる項目
  • 支給対象外の項目

ひとつずつ見ていきましょう。

 

支給額は地域によって異なる

葬祭扶助制度の支給額は、地域・故人の年齢・世帯状況などの要素によって異なります。

 

北海道における地域・故人の年齢による支給額の違いは以下のとおりです。

 

大人 子ども 地域
215,000円以内 172,000円以内 ・札幌市

・江別市

・函館市

・小樽市

・旭川市

・室蘭市

・釧路市

・帯広市

・苫小牧市

・千歳市

・恵庭市

・北広島市

・夕張市

・岩見沢市

・登別市

188,100円以内 150,500円以内 上記以外の市町村

 

上記の金額は、厚生労働省が定める級地区分によって分けられています。

 

金額の詳細は各地自体で異なるため、詳しく知りたい方は市役所に確認しましょう。

 

引用:厚生労働省「生活保護法による保護の基準

 

支給対象となる項目

葬祭扶助制度の支給対象となるのは以下の項目です。

  • 遺体の搬送代
  • ドライアイス代
  • 棺と棺用の布団
  • 火葬代
  • 骨壺代
  • 納骨代

項目を見てもわかる通り、葬送に必要な最低限の内容しか支給されません。

 

支給対象外の項目

一般的な葬儀ではあたりまえでも、葬祭扶助制度では支給されないものがあります。

 

代表的なのが以下の5点です。

  • お通夜・告別式費用
  • 祭壇の費用
  • 読経料
  • 戒名料

ご遺体を火葬・埋葬するための最低限の内容しか保証されないため、僧侶による読経や戒名授与がありません。

 

よって、お通夜・告別式・祭壇・読経料や戒名料を含めたお布施の金額は対象外です。

 

戒名を希望する場合は、基本的に自己負担です。金銭的な部分も含めて、菩提寺の僧侶と相談するのがよいでしょう。

 

葬祭扶助を利用した福祉葬の香典の相場

福祉葬に参列者として伺う際の香典の相場は、一般的なものと変わりありません、

 

故人の身内で3〜10万円前後、親族は3万円前後が相場とされています。

 

ご近所さんの場合は5千〜1万円ほどです。

 

また、近親者であっても20代で若い場合は5千〜1万円ほどでよいとされています。

 

【関連記事】家族葬での弔電や香典の正しいマナー【例文付き】送る側と受け取る側

 

生活保護者が葬儀へ参列する際の香典や交通費

生活保護受給者の香典や交通費

生活保護受給者が葬儀へ参列する際に発生する以下の費用の用意方法について解説します。

  • 香典を用意する手段
  • 葬儀場までの交通費を用意する手段

ひとつずつ見ていきましょう。

 

香典を用意する手段

香典は生活保護の支給対象外です。

 

生活保護者が葬儀に参列する際は、自己負担で香典を包まなければなりません。

 

また、生活保護費から捻出して香典を用意した場合「生活保護なのに香典を包むのはおかしい」と捉える方もいます。

 

「生活保護者が香典を包んではいけない」という法律はありませんが、不快に思う方も一定数いることを頭の片隅にいれておきましょう。

 

反対に、「大変ななか香典を包んでいただいて…」と喪主に気を使わせてしまう可能性もあります。

 

自分自身が生活保護受給者で葬儀の参列に際して香典を包む際は、喪主との関係性などを考慮して包むか否か決めるとよいでしょう。

 

葬儀場までの交通費を用意する手段

葬儀に参列するにあたっての葬儀場までの交通費は生活保護の支給対象となる可能性があります。

 

確実に対象となるとは言えませんが、ケースワーカーに相談してみるとよいでしょう。

 

近親者の葬儀に参列する場合は交通費が支給されるケースが多い傾向です。

 

また、危篤状態の親族のお見舞いに行く場合なども支給される可能性があります。

 

生活状況や故人との関係性、移動距離などを考慮して決められるため、具体的な金額はケースワーカーに相談して確認しましょう。

 

まとめ:生活保護者も葬儀で香典をいただいて問題はない

故人が生活保護、または遺族が生活保護の場合、葬祭扶助制度によって葬儀を執り行える可能性があります。

 

その際にいただいた香典は収入とみなされないため、使用用途は遺族が自由に決められます。

 

一方、生活保護受給者が葬儀に参列する際の香典は生活保護の支給対象外です。香典を包む際は、自己負担となっています。

 

生活保護受給者の香典に関する処遇は置かれている立場によって変わるため、不安な方は福祉事務所や市役所に相談しましょう。

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